立憲民主党の野田佳彦元総理は9日の衆院財務金融委員会でウクライナへの侵略行為に対しロシアへの経済制裁を世界各国がとり、日本も厳しい経済制裁措置を取りながら、一方で、2016年にロシアと合意した対外経済協力プランを白紙に戻していない。ロシアは日本を非友好国とも言っており、経済協力プランを白紙に戻すべきだと政府を追及した。
野田氏は「この状況においても、経産大臣が対ロ経済協力担当大臣を兼務している。厳しい経済制裁をやっているにもかかわらず不透明な動きだ。むしろこうした経済協力を白紙に戻すべき」と提起。
野田氏は北方領土問題に関しても「ウラジミール、シンゾーの(プーチン、安倍両氏の)個人的な信頼関係で、20何回も会談は積み重ねてきたが、2島(歯舞・色丹)先行返還も気配がない」と指摘。「むしろ2020年にロシアは憲法を改正し、領土の割譲を禁止した。あの地点で経済協力は白紙であると。またロシアは日本を非友好国と言ってきている。白紙に戻し、むしろウクライナへの緊急人道支援をもっと拡充すべき」と求めた。
政府側は「ロシアとは新たな経済協力を進めていく状況ではないと考えており、ウクライナへの緊急人道支援では他国とそん色ない拠出となっている。国際社会と緊密に連携し、まず1億ドルの支援を迅速かつ確実に行っていきたい」とした。
野田氏は岸田文雄総理が北方領土に関し「わが国固有の領土、ロシアの不法占拠」との表現を使用し始めたことについて「それで、いい」と評した。安倍政権ではこうした表現が消えていた。野田氏は「平和条約の締結はポストプーチンで目指すべき」と提言した。(編集担当:森高龍二)