コロナ禍でも首都圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)の新築マンションの販売は堅調なようだ。1回目の緊急事態宣言が発出された2020年の4-5月は販売戸数、契約率ともに大きく落ち込んだものの、宣言解除後は回復に向かい、売れ行きの良し悪しの判断水準となる70%前後で推移し、22年1月はオミクロン流行の影響もあってか大きく落ち込んだものの、2月には契約率も73.3%まで回復している。中でも千葉県での伸びが目立ち、東京都、神奈川県、埼玉県では横ばいから伸び悩みとなっているのに対して、千葉県では戸数は少ないものの大幅な改善となっている。コロナ禍でのテレワーク普及などを背景に首都圏からの転出が話題となっているが、千葉県ではリゾート地域を中心に移住支援政策を行っており、その影響も考えられる。
3月17日に不動産経済研究所が「首都圏の新築分譲マンション市場動向(2月)」を公表しているが、これによれば2月における首都圏の発売戸数は2287戸、対前年同月と比べ2.0%増加となっている、大きく落ち込んだ前月と比べると102.7%増と反動的増加だ。初月契約率は73.3%、前年同月比2.7ポイント減、前月比は14.9ポイント増となっている。戸当り平均価格は7418万円で前年同月比16.3%増、平米単価は109.6万円、同15.6%増と価格は上昇傾向だ。3月の発売戸数は3500戸程度の見込みとなっており、コロナ前の水準に回復する予測だ。
地域別に見ると、東京23区の供給戸数が1048戸、前年同月比0.2%減、契約率74.8、同6.1p減、平米単価148万円、同26.0%増、都下の同戸数231戸、同87.8%、契約率69.3%、同7.5p増、単価82万円、同1.3%減、神奈川県は514戸、同33.8%減、契約率70.4%、同5.8p減、単価80万円、同.4%増、埼玉県は193戸、同99.0%増、契約率62.7%、同14.6p減、単価85万円、同18.5%増、千葉県は301戸、同53.6%、契約率83.1%、同25.4p増、単価72万円、同12.9%となっている。東京23区では素地が不足しており供給戸数自体が伸び悩み価格は上昇傾向のようだ。千葉県の発売戸数のシェアは首都圏全体の13.2%と多くはないが、供給戸数は高い伸びで、契約率も80%を超え、戸当たり価格も平米単価も2桁の伸びとなっており、コロナ禍での郊外志向や移住支援が活発化している中で、今後の動向が注目される。(編集担当:久保田雄城)