衆議院は19日の本会議で、れいわ新選組の山本太郎代表の衆院議員辞職を許可した。山本代表は今夏の参院選挙に出馬し、国会での議席を増やすことで、国会での発言力を強めたい意向だ。山本代表の辞職に伴い、2021年衆院選の比例名簿に基づき、元NGOピースボート事務局長で元衆院議員の櫛渕万理(くしぶち・まり)さん(れいわ新選組東京22区総支部長)が繰り上げ当選になる。
れいわ新選組はツイッターで「山本太郎、なぜ・議員辞職」とのタイトルで「6月に始まる参院選後、国政選挙が最大3年間行われない期間が出来る」とし「その間に行われるであろう『政治の暴走』をなんとしても食い止めなければならない」と必死・苦肉・やむを得ない選択であることをうかがわせた。
ツイッターでは「空気を読まない私たちが参院選で議席を増やし、その声を大きくしていく必要がある」と訴えている。
山本代表は原発について、今年3月の国会質疑でも、自身の考えを明確にしている。山本代表は「ロシア軍がチェルノブイリ原発・占拠に続き、ザポリージャ原発を攻撃、占拠した」ことを踏まえ「弾道ミサイル攻撃の直撃を受けた場合、稼働中の原発にどのような被害が生じるか、想定しているのか」と質したが、政府参考人は「原子力規制委員会は原子炉等規制法に基づく規制基準において、他国による武力攻撃に備えることは現在要求をしておりません。新たに要求することも考えてございません」などと平然と答弁。
このため「対策できないことは考えない、そう言うスタンスなんですね」と批判。山本代表は「核武装など勇ましい声は聞こえてくるが、海沿いに林立する原発には関心、薄いようなんですね。外部からの攻撃、南海トラフなどを考えれば、原発は全て廃炉にする以外ない。もっとも国益に叶うのは、原発即時禁止の判断です」と原発禁止の判断を求めた。
そのために「2030年に石炭火力発電・ゼロは厳守する前提で、一時的に国内の石炭火力も有効活用する柔軟さが必要」とし「同時に積極財政で再エネや蓄電池などへの投資を国主導で爆発的に増やす取り組みは絶対(必要)。また原発をやめるにあたっては立地自治体への補助金は維持する。再エネにシフトし、しっかり雇用を守ることが前提となる」と明快に語った。
山本氏は「原発は即時禁止・廃炉。同時に、再エネ投資と廃炉ニューディールという形で、ビジネスチャンスを作っていく。これこそ『新しい資本主義』と言われるものの一つだ」ともアピールしている。(編集担当:森高龍二)