立憲民主党の鎌田さゆり議員は21日の衆議院本会議で政府の「侮辱罪厳罰化法案」の危険性を指摘し、対案として党提出の「加害目的誹謗等罪」こそ、言論の自由を抑制することなく、誹謗中傷を抑制し、被害者救済を実現する適切な法律だと支持を訴えた。
鎌田議員は政府提出の「侮辱罪厳罰化法案」では「SNSインターネット上の誹謗中傷対策として有効でない。外部的名誉を保護法益とする侮辱罪ではSNSでみられる、人を傷つける心無い言葉が必ずしも処罰の対象とならない。一方で『お前アホやな』といった日常的会話が侮辱罪となりえる。『Aさんは総理の器じゃない』といった正当な論評のつもりで言った批判も、侮辱罪になることもあり得る」と指摘した。
その結果「1年以下の懲役もしくは禁錮もしくは30万円以下の罰金となりえる」と提起した。
そのうえで、鎌田氏はこの問題を正面から解決するのが立憲・無所属会派提出の『加害目的誹謗等罪』だと語った。
鎌田氏は「加害目的誹謗等罪は人の内面における人格権を保護法益としている。これにより『死ねばいいのに』『いつ自殺するの』といった言葉が処罰対象になる。一方『お前アホか』など、加害目的がないと弁明することが可能になる。また、このような言葉に対し『やめてください』と言っていたことを知っていながら、これを繰り返していた場合には加害目的があると認定され、処罰されることになる」と犯罪構成要件を説明。
鎌田氏は「処罰すべき誹謗中傷と処罰すべきでない言葉を、適切かつ明確に画することができる」法案が『加害目的誹謗等罪』だと説明。また「明文で、公共の利害に関する場合の特例を定めており、公務員・政治家に対する正当な批判をした人がこの罪で処罰されることはない」と説明し「言論の自由を抑制することなく、誹謗中傷を抑制し、被害者救済を実現する適切な法律だ」と支持を求めた。(編集担当:森高龍二)