鳥豚の伝染病での殺処分で総務省が農水省に勧告

2022年04月24日 10:05

 総務省は自衛隊の災害派遣に関する実態調査の結果を踏まえ、22日、都道府県に対し「高病原性鳥インフルエンザ」や「豚熱」対応での家畜殺処分について市町村や関係団体の協力も得たうえで、人員確保を図り、動員計画に反映させることや殺処分に際しての自衛隊との役割分担を緊急性も考慮して適切に行うよう促すよう、農林水産省に勧告した。

 総務省によると、高病原性鳥インフルエンザについては2021年度に過去最大の987万羽を殺処分。豚熱は2018年9月に26年ぶりに発生が確認され、それ以降、感染が拡大した中で、家畜の殺処分に際し、動員計画で都道府県職員以外に市町村や関係団体等の動員を想定していないものが6都道府県であった。その中には市町村や関係団体等に協力を求めることなく自衛隊派遣を要請していたケースもあった、という。

 また、殺処分に関し、自衛隊との役割分担を定めているのは豚熱で10都道府県、高病原性鳥インフルエンザで13都道府県にとどまった。役割分担を定めていなかった都道府県では自衛隊の作業範囲が不明確なまま派遣要請され、結果的に自衛隊が大部分を殺処分することとなったこともある。

 このため、自衛隊からは自衛隊と県との間の作業分担に係る事前調整を適切に実施すること、緊急性・優先順位の高い豚(鶏)舎等を自衛隊が担当するといった作業分担を要望する意見が出ていた。(編集担当:森高龍二)