暮らし守るために消費税減税決断すべき 志位氏

2022年06月19日 08:16

 日本共産党の志位和夫委員長は16日のテレビ朝日報道番組「報道ステーション」の「暮らしをどう守る?党首討論」の中で「岸田首相は生活必需品の高騰対策が必要というが、それなら消費税減税が一番効果的だ」と消費税減税を決断すべきと訴えた。

 志位氏は大越健介キャスターから最低賃金を引き上げる意味を尋ねられ「日本は今、(時給900円台だが、最低賃金をぐっと引き上げることが所得の少ない方にとって本当に暮らしの支えになる。労働者の平均賃金をぐっと押し上げることにもなる。是非1500円を実現したい」と意気込みを示した。

 そのうえで志位氏は「それをやるうえで大企業の内部留保への課税を提案している」と政策をあげた。「内部留保の膨れ上がった部分について時限的な課税を行い10兆円くらいの財源を作り出していく。最低賃金引き上げのための中小企業支援に充てる」考えを示した。

 また「水道光熱費や食料高騰から、暮らしを守る」ためには「消費税減税が一番効果的」と指摘した。志位氏は「システムの変更が大変だ、と(政府側は言うが)世界の89の国・地域で減税している。日本だけ出来ないという道理がない」とした。

 また岸田総理が国会答弁でも強調してきた『社会保障の財源だ』している説明にも「30年間消費税を入れて社会保障は良くなってない。法人税とお金持ちの為の減税の穴埋め。これが事実。富裕層や大企業に応分の負担を求め、税制改革をやって消費税を5%に下げる。インボイスは中止する。こういう決断が必要だ」と番組出演の岸田総理に求めた。

 共産党が提案する内部留保への課税。提唱しているのは資本金10億円以上の大企業が2012年度以降で内部留保してきた増加分に2%課税するというもので、5年間で10兆円の税収になる。これを中小企業の賃上げ支援に充てることで、最低賃金を1500円にするというもの。

 財務省の法人統計調査、厚労省の毎月勤労統計調査で、大企業の内部留保は2012年度333兆5000億円だったものが20年度には466兆8000億円にまで膨れた。伸びにして39.97%になる。一方、給与所得者の実質賃金は404万6000円から382万5000円に5.5%減少していた。

 また消費税は導入から34年、これまでに消費税で450兆円以上の税収があったが、法人税・法人事業税・法人住民税3税は「世界で一番企業が活動しやすい国」などと安倍内閣時代に進めた法人税減税などで、法人3税は計330兆円減った。志位氏が「法人税とお金持ちの為の減税の穴埋め。これが事実」といったことは数字が裏付けていた。(編集担当:森高龍二)