19日のNHK日曜討論。消費税を巡るれいわ新選組の大石あきこ政審会長と自民党の高市早苗政調会長のバトル。党の姿勢を象徴するものになった。
社会保障の財源は「全て消費税」に限定し、「企業が世界で一番活躍しやすい国をつくる」(安倍晋三当時総理)として法人税減税を続ける一方で、消費税の引き上げは実施してきた自公政権。消費税を引下げての暮らしサポートにはまっこう反対の高市氏の姿勢が鮮明にされるものだった。
この日、れいわの大石氏は「消費税廃止は絶対に必要」とアピール。「物価高に対応できるし、景気回復で年収が上がる。安定した仕事が大量に生みだされる。参議院の調査情報担当室に党として5月に依頼したシミュレーション結果によると、消費税廃止で景気は回復し、給料が上がる。5年後には年収約30万円アップ、10年後には約60万円アップという結果が出ている。消費税廃止や減税、すぐにやれば良いではないか」と投げた。
大石氏は「(それなのに)岸田総理は国会で『1%たりとも減税しない』と、どや顔で言い放った。おかしい。数十年に渡り、法人税は減税、お金持ちはさんざん優遇してきたのに、消費税減税だけはしませんって。岸田政権、自公政権は『鬼』であり、『資本家の犬』と言わざるを得ない」と減税や廃止を求めた。
これに高市氏は「消費税が法人税引き下げに流用されているかのような発言が、この間から何度かあったが、これは事実無根。でたらめを公共の電波でいうのはやめて頂きたい」と主張。
高市氏は「消費税法第1条を読んでいただきたい。消費税の使途は年金、医療、介護など社会保障に限定されている。地方の消費税も地方税法により社会保障にしか使えないことになっている。社会保障は国民が広く受益するもの。あらゆる世代が広く公平に負担するもの。持続的で安定的な財源として消費税は残しておくべき」と反論した。
しかし、消費税導入から34年の間に計450兆円以上が税収となった一方で、法人税・法人事業税・法人住民税3税の減収が計330兆円に上っている。国全体の税収から見れば、法人税減税のための税収減を消費税で賄って『穴埋め』している」実態がある。法人税減税がなければ税収は大幅に増えていた。社会保障費を消費税以外から充当すれば、逆進性の強い消費税を引き上げる必要はなかった。高市氏の発言は一見妥当なようだが、本質をすり替えたものになった。(編集担当:森高龍二)