安倍元総理「国葬」で追悼、国会審議不要と総理

2022年07月15日 08:42

 岸田文雄総理は14日の記者会見で、さきの参院選挙で自民党候補応援演説中に銃殺された安倍晋三元総理の追悼をこの秋に「国葬」で行うと発表した。費用は全額、税金で賄われる。戦後の総理では吉田茂氏に次いで2人目となる。

 政府は国葬決定に国会の審議は不要とした。岸田総理は「国の儀式を内閣が行うことについては平成13年1月6日施行の『内閣府設置法』において、内閣府の所掌事務として、国の儀式に関する事務に関することが明記されている。国の儀式として行う『国葬儀』は、閣議決定を根拠として、行政が国を代表して行い得るものである、と考える」などと述べた。また「内閣法制局とも調整したうえで、判断した」とも述べた。

 ただ、ネット上では『国葬』に関し賛否両論活発だ。あの自民元幹事長の小沢一郎衆院議員(立憲)が「文字通り戦後政治を総決算された素晴らしい指導者だった」と評した中曽根元総理でも「政府・自民党合同葬」だった。今回「国葬」での追悼には世論が一致していないことを示している。

 岸田総理は記者会見で「国難ともいえる難局を乗り切るためには、何より、国民の『信頼』と『共感』が大切と肝に銘じて仕事をすすめていきたい」と語った同じ場で、国民の『共感』を得る努力なしに『国葬』を閣議で判断してしまった。論議を呼びそう。(編集担当:森高龍二)