政府は9月27日に安倍晋三元総理の「国葬儀」を閣議決定したが、7月下旬でも賛否の割れが顕著。共同通信が7月30、31日に実施したアンケート調査では固定電話で得た回答425人、携帯電話で得た回答625人合わせて1050人の回答で、国葬に賛成またはどちらかといえば賛成を合わせた回答は45.1%、国葬に反対またはどちらかといえば反対の回答は53.3%と反対が賛成を8.2ポイント上回っていた。
また国葬に関する国会審議に関しては「61.9%」が必要とした。合わせて、旧統一教会と政治、あるいは政治家との関係で「実態解明が必要」との回答が80.6%に上り、国会で特別委員会を創設して実態解明を図るなどしなければ、新たな政治不信を招く材料になることが懸念される。
国葬を巡っては南日本新聞社もラインの登録者706人から回答を得たアンケート結果では賛成・どちらかと言えば賛成は計23.1%、反対・どちらかと言えば反対は計72.2%。熊本日日新聞ではSNS登録者の2279人の回答のうち、賛成・どちらかと言えば賛成が42.9%、反対・どちらかと言えば反対が49.6%、といずれも反対が賛成を上回っている。
立憲民主党の西村ちなみ幹事長は共同通信の調査結果を踏まえて「国民から『国葬はいかがなものか』との指摘があるとは、私は認識していないと仰った、自民党の方がおられました。これで耳に入ったでしょうか。国会できちんと議論しなければならないと思います」とツイッターで国会審議を求めた。
政府は国葬儀を行うなら、法的根拠の明示、国葬を早期に決定した経緯、「1人1人に喪に服することを求めているものではない。政治的評価を求めるものでもない」(松野博一官房長官)ということをきっちり説明していく必要がある。また小中学生に事実上、黙とうを強制するような行為を学校に求めないことも国民の理解を得るうえで重要と言えよう。(編集担当:森高龍二)