岸田文雄総理は8日、人事院の川本裕子総裁から3年ぶりに国家公務員(一般職約29万1000人)の月給とボーナスをともに引き上げるよう勧告を受けた。勧告後の平均給与は例えば行政職月額40万5049円の職員は921円増え40万5970円、年間給与では666万円と年間で5万5000円アップになる。
また勧告通りの実施で各省「事務次官」の年間給与は6万円増え、2323万5000円、本府省局長で4万5000円増え、1769万8000円、本府省課長(50歳)で6万7000円増え1260万1000円になる。
松野博一官房長官は記者会見で「人事院勧告を受け、第1回給与関係閣僚会議を開催し、本年の国家公務員の給与の取扱いの検討に着手した。人事院勧告制度を尊重する基本姿勢に立ち、適正な結論を得るよう国政全般の観点から検討していく」と語った。
また勧告に併せて出された報告について「試験実施時期の前倒し、民間からの円滑な人材確保に関する取組み、フレックスタイム制の柔軟化などに関する前向きな取組み方針が示された」と語った。
勧告では、民間企業初任給を踏まえ、総合職試験、一般職試験(大卒程度)での初任給は3000円、一般職試験(高卒者)に係る初任給は4000円の引上げを勧告。
これを踏まえて20歳台半ばに重点を置き、初任の係長級の若手職員にも一定の改善が及ぶよう、30歳台半ばまでの職員が在職する号俸について改定(平均改定率0.3%)をとしている。
期末手当についても支給月数を0.1月分引き上げ、4.4月に改定を勧告。勤務実績に応じた給与を推進するため、引上げ分を勤勉手当に配分、その一部を用いて上位の成績区分に係る原資を確保するようにとしている。(編集担当:森高龍二)