高まる「値上げ」の実感。今後は外食・衣類を中心にさらに節約ムードへ

2022年08月23日 07:13

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CCCマーケティング総合研究所が「値上げに関する調査」。「スーパーマーケット」「ガソリンスタンド」で価格上昇を感じる8割。今後、「外食」、「衣類」で「購入・利用頻度を減らす」との回答が多数派。

 コロナ禍からの経済活動再開の影響で昨年から世界的な物価上昇が続いている。日本の企業では、価格は据え置き内容量を減らすなどのステレス値上げなど原価高騰を価格転嫁しない方向で努力が続けられてきた。しかし、2月下旬のウクライナ侵攻以降、さらなるエネルギー価格や穀物価格の高騰と急速な円高で輸入原価が急騰し、春以降は電気代や飲食料品を中心に値上げラッシュとなっている。すでに多くの消費者が物価高騰を実感し節約ムードが出てきているが、このまま物価高騰が続けば外食や衣類など他の品目へも節約ムードが波及していくことが懸念される。

 8月8日、CCCマーケティング総合研究所が「値上げに関する調査」(調査時期:7月上旬、調査対象:16~79歳のT会員男女、有効回答数:2711件)の結果レポートを公表している。店舗・販売経路ごとに「値上げを感じるか」を尋ねた結果では、「値上げを感じる」と答えた割合が高いのは「スーパーマーケット」の82.2%、「ガソリンスタンド」77.8%、「主に食料品を扱う地域の商店」67.5%となっており、これらはいずれも「値上げを感じない・下がっていると感じる」が10%以下となっている。購入頻度の多い、生活密着型の店舗で価格上昇をより強く実感しているようだ。

 品目別の回答を見ると、「ガソリン」で「とても高くなった」が80.4%と高く、「少し高くなった」も合わせると97.8%が「高くなった」と感じている。他に「電気・ガス・水道」、「食用油」でも半数以上が「とても高くなった」と回答している。「とても高くなった」と「少し高くなった」の合計では「生鮮食品」、「小麦粉」、「即席麺(カップ麺など)」が9割を超えており、やはり食品を中心に大幅な値上げを実感しているようだ。調査した24品目の半数以上で「とても高くなった」と「少し高くなった」の合計が8割を超える結果となっている。

 今後1~2年も価格の上昇が続いた場合の購入意向を品目別に見ると、「外食」で「購入量・頻度を減らす」が40.0%、「減らさない」31.4%、「衣類」で「購入量・頻度を減らす」が36.7%、「減らさない」29.9%、「弁当・惣菜」で「購入量・頻度を減らす」が37.2%、「減らさない」32.8%、などと「購入量・頻度を減らす」が「購入量は減らさない」を上回っている。このまま物価上昇が続いた場合、外食や衣類などといった、値上げラッシュとなっている食品や電気代以外にも節約ムードが広がっていく兆しが見られる。(編集担当:久保田雄城)