値上げラッシュが続く中、来月にも多くの商品価格改定が予定されており、岸田文雄総理は物価高騰への対応について、8日「食料品やエネルギー分野を始めとする値上がりが消費者の暮らしや事業者の経営に大きな影響を与えている。危機感を持って、切れ目のない対策を行っていく」と語った。特に低所得世帯向けに1世帯あたり5万円を給付するとした。
政府は9日の物価・賃金・生活総合対策本部で追加策を取りまとめるが、岸田総理は追加策のポイントとして(1)食料品について輸入小麦の政府売渡価格を10月以降も据え置き、秋以降のパンや麺などの値上がりを抑える。
(2)配合飼料の価格について、畜産農家が支払う飼料代負担を10月からの第3四半期も現在と同程度の水準に据え置くよう支援を拡充し、卵、牛肉、豚肉、こうした価格への影響を軽減する。
(3)ガソリン価格について、毎月3000億円余りを投入して本来1リットル200円を超えていたガソリン価格を170円程度に抑制してきた。足下の原油価格の水準を踏まえつつ、本年末まで価格等の抑制へ継続する。
(4)家計への影響が大きい低所得世帯向けに電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金を創設し、プッシュ型給付を行う。具体的には住民税非課税世帯に当面の電力・ガス料金、食料品価格等の高騰に伴う影響額を考慮し、1世帯当たり5万円を給付する。
(5)中小企業の資金繰り支援をウィズコロナにあわせて転換させ、積み上がった債務の借換え円滑化のための保証制度の創設、観光・飲食業向け低利融資の拡充などを行う、などをあげた。秋に総合経済対策を策定する考えも示した。(編集担当:森高龍二)