ZIMA復活! 灘五郷の老舗日本酒メーカーが日本での独占販売権を獲得

2022年10月08日 17:34

ロゴ_ZIMA  

根強いZIMAファンを中心にSNSでも話題となり、復活が待望されていたが、早くもそれが現実となる

 この間まで世間であんなに見かけたのに、いつの間にか見なくなってしまった。そんなことは珍しくない。例えば車などでは、フォードがそうだ。フォード・モーターが2016年に日本を撤退し、国内に10店舗あった直営ディーラーを閉鎖してから、日本の街を走るフォードの車を見かけることは少なくなった。

 プレミアム低アルコール飲料の「ZIMA(ジーマ)」も、その一つだ。ZIMAはアメリカのビール大手メーカー、モルソン・クアーズが1993年に発売開始したアルコール飲料で、日本でも1997年に発売が始まるや否や、若者を中心に高い人気を集めた。2008年に米国内での販売が終了されて出荷が止まった後も、同社の日本法人モルソン・クアーズ・ジャパンが販売を継続していたものの、それも2021年に新型コロナ感染拡大の影響もあって残念ながら事業を終了。販売店からZIMAの姿は消えてしまった。

 根強いZIMAファンを中心にSNSでも話題となり、復活が待望されていたが、早くもそれが現実となる。

 兵庫灘五郷の1つである日本酒メーカーの白鶴酒造が販売代理店に名乗りを上げ、来春から復活するというのだ。同社は10月4日、「ZIMA」及び米国 No.1クラフトビール「BLUE MOON(ブルームーン)」の 2 ブランドについての日本国内での独占輸入販売契約を米国のモルソン・クアーズ・ビバレッジ・カンパニーと締結したと発表。2023年春夏シーズンから日本市場で展開するという。

 今回の発表に際し、白鶴は同社および子会社の全国ネットワーク、各流通とのネットワークなどを活用して販売するのはもちろん、過去にZIMAを取り扱っていた得意先にも再度提案するとともに、新規販売先の獲得を含め、全国の外食、小売にも提案を予定しているという。同社では日本酒だけでのマーチャンダイズや顧客への商品提案では不十分な時代になることを予測し、以前から日本酒以外の商品ポートフォリオや事業を展開してきた。そんな中で、今回、有力なブランドであるモルソン・クアーズと提携することで、新たな顧客や販売ルートの開拓を目指すことに意欲を見せている。

 日本酒メーカーが、クラフトビールなど、他の酒類を取り扱うのは異色のことのように思えるかもしれないが、実はそうでもない。同社でも、日本酒のほかに梅酒などのリキュールを製造してしているし、1977年からフランスワインの輸入を開始し、現在は、フランス、ドイツ、イタリア、チリ、スペインのワインを展開している。

 すでにZIMAファンの中では復活を祝うコメントがSNSでもみられる。日本では昨年まで販売していたとはいえ、店頭で見かけることはほとんどなくなっていただけに、懐かしさと新しさで再びブームを起こすかもしれない。これからの展開に期待したい。(編集担当:藤原伊織)