河野太郎デジタル担当大臣がマイナンバーカードを普及させる狙いで、24年秋から「健康保険証」を原則廃止し、マイナカードに一本化すると発表したことに、「マイナカードは任意ではなかったのか」と批判の声が相次ぎ上がっている。
マイナカード交付が進まない背景には政府への不信感と情報管理に対する安全性への不安がある。これらへの対応や説明がなにもないままの暴挙と言わざるを得ない。
「マイナンバー法16条2項」に「機構は政令の定めるところにより、住民基本台帳に記載されている者の申請に基づき、その者にかかる個人番号カードを発行するものとする」と規定。個人の意思が尊重される規定になっているのに、「健康保険証」との一本化で『事実上の義務化』にするのは法に反する。このため13日から始まったネット上での「マイナンバーカード一本化に反対する」との署名活動には、わずか3日(16日現在)で10万人の署名が集まるほど批判が拡大している。
デジタル法案審議メンバーでもあった日本共産党の田村智子政策委員長は14日の記者会見で「デジタル庁設置の法案審議でもマイナンバーカードについても『強制はしない』と何度も答弁があった。健康保険証を廃止するというやり方で、事実上の義務化ということは断じて認められない」と強く非難した。
田村氏は「そもそも健康保険証を廃止するのであれば法改正が必要なはず。国民皆保険という制度の下、マイナンバーカードの所持を義務付けるものではないという(論理も)全く成り立たない。こんな強権的なやり方でマイナンバーカードを持たせようとすることは、やってはならない手法だ」と指摘し「国会で国民に約束したことを反故にして、閣議決定で突き進むのか。撤回すべきだ」と方針撤回を強く求めた。国会で徹底議論することが求められる。(編集担当:森高龍二)