加藤勝信厚労大臣は18日の記者会見で、国民年金の納付期間を現行の「40年」から『45年』へ延長することや厚生年金加入者の対象をパートなど短時間労働者へも拡大すること、公的年金制度の所得再分配機能の強化などを検討していく考えを示した。
記者団が、一部報道で、国民年金の納付期間を40年から45年に延長するとの報道があったが、検討状況と年金制度改革で大臣が重視する点は、との問いに答えた。
加藤大臣は「年金制度は5年毎に財政検証が行われている。次の財政検証は2024年で、その際、制度改正等も通常行われている。ただその辺りのスケジュールを含めてどういう内容になるかは現在決まっておらず、これから検討するということ」とした。
そのうえで「2019年の検証では、今言われた納付期間の40年間を45年間にするというオプション試算を示させていただいた。併せて2020年の年金制度改正法の検討規定では被用者保険の適用拡大に向けた検討とともに、公的年金制度の所得再分配機能の強化について検討することが盛り込まれている。それらを踏まえて制度改正について議論を進めていきたい」と語り、納付期間の5年延長を検討する方針を示した。
少子高齢化が進む中で、政府は年金支給額を減らすとともに年金納付期間を延長する一方で、年金支給時期の繰り下げ等、高齢者に厳しい社会になっていきそう。
一方、子育て支援に関し「出産準備金」として新生児1人当たり10万円のクーポンを配布するとの一部報道に関しては「0~2歳の低年齢期の方々に対する支援が必ずしも十分でないという意識の中で、妊娠時から出産・子育てまで、身近な伴走型の相談支援と経済的支援を合わせたパッケージとして今月末にとりまとめる総合経済対策に盛り込むとともに、具体的な事業のあり方について検討するということで考えている」と子育て支援には手厚い姿勢を見せた。(編集担当:森高龍二)