防衛省は国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議で「日本への侵攻は困難と思わせる防衛力を備えた国家になる必要がある」との防衛目標の考えを示した。
防衛力整備に関して、核の脅威については「米国の拡大核抑止をもって対応し、信頼性を向上させる」とし、概ね10年後までに7分野で抜本的強化を図るとしている。
内容では(1)スタンド・オフ防衛能力で、より先進的なスタンド・オフ・ミサイルの装備化と数量の保有(2)総合ミサイル防空能力で、広域防空能力の強化、無人機対処能力の強化(3)無人アセットの複数同時制御能力の強化(4)領域横断作戦能力では、宇宙作戦能力の強化、自衛隊以外へのサイバー・セキュリティ支援の強化、無人機と連携する陸海空能力の強化(5)AIなどを活用し常時継続的な情報収集・共有体制を強化する(6)輸送能力の強化、輸送・補給の迅速化(7)弾薬・誘導弾の適正在庫の維持・確保、防衛施設の強靭化、弾薬の所要に見合った火薬庫などの更なる確保をあげた。
防衛力のあり方のイメージとして「真に戦える防衛力(主要装備品の強化加速・人材確保・防衛産業の体制強化)」「新領域の飛躍(宇宙・サイバー・電磁波など、新領域での質・量ともに備えた能力)」「新たな戦い方(スタンド・オフ防衛能力、無人アセット防衛能力など)」を示した。
岸田総理は20日の会合で「総合的な防衛体制を強化していくためには、縦割りを打破し、我が国の持てる力を結集しなければならない。防衛体制の強化に資する研究開発の推進や公共インフラの整備・利活用を大いに進めるべく、具体的な仕組みについて関係省庁において早急に検討し、次回の有識者会議において報告を」と指示。
また財務大臣に対し「総合的な防衛体制の強化に必要な財源確保の考え方について、次回の有識者会議に検討状況の報告を」求めた。(編集担当:森高龍二)