世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る悪質な献金などによる被害者救済のための新法制定へ、政府は消費者庁に「法制検討室」の職員を増員して準備を急いでいる。検討室には警察庁、法務省、文科省など関係省庁の職員も参加している。
松野博一官房長官は9日の記者会見で「消費者契約法の対象とならない寄付一般について、社会的に許容しがたい悪質な勧誘行為を禁止すること、悪質な勧誘行為に基づく寄付については取り消しや損害賠償請求を可能とすること、子や配偶者に生じた被害の救済を可能とすること等を主な内容として検討していく」と岸田文雄総理が示した考えを改めて語った。
そのうえで「消費者庁の霊感商法対策検討会の報告書を踏まえ、与野党協議会での議論も参考に、今国会を視野にできる限り早く法案を提出すべく、最大限の努力を行っていく」と改めて早期制定を目指す考えを述べた。
岸田総理は政府与党連絡会議でも教団問題について「宗教法人法に基づく報告徴収・質問権行使による事実把握・実態解明、被害者の救済、立法による再発防止の3点に全力で取組む。準備ができた法案から臨時国会に提出していく」と強調していた。(編集担当:森高龍二)