かつてのリクルート事件彷彿と石破元自民幹事長

2022年11月15日 06:30

 事実上更迭された葉梨康弘法務大臣の後任に、斎藤健元農林水産大臣が就任。岸田文雄総理は「法務行政の根幹に関わる制度についての軽率な発言によって、法務行政に対する国民の信頼を損ねたこと、旧統一教会による被害者救済に政府を挙げ取組む中、その重責の一端を担う法務大臣の発言によって重要施策の審議などに遅滞が生じることを考慮し、(葉梨氏の法務大臣)辞任の申出を認めた」と辞表受理理由を述べた。

 そのうえで「民法改正、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)による被害者救済など、法務省の抱える重要課題に鑑み、幅広い分野で政務、実務、双方に豊富な経験を持ち、分かりやすく安定した答弁能力に定評のある斎藤健氏にお願いすることとした」と説明。説明からは、当初から斎藤氏を起用しておけば良かったのでは、との疑問も出る。総理は葉梨氏の任命責任も「重く受け止めている」とした。

 石破茂自民党元幹事長は「今回の法相の職務に関する一連の発言はとても残念に思いました。短期間に相次いで閣僚が辞任する事態はかつてのリクルート事件の時の竹下内閣や民主党の野田内閣を彷彿とさせ、この後の展開はかなり厳しくなるのかもしれません」とブログに書いた。

 また死刑制度の存否について「法学部の学生時代以来ずっと悩んでいますが、いまだに自分としての結論が出せないままでおります」とも。死刑存廃議論の原点は刑罰の目的を「応報」「犯罪抑止」と捉えるか、「教育」と捉えるかで、真逆の結論に至る。教育刑の立場なら命を絶つことは刑罰の意味をなさないのだから当然、死刑は無くすべきとなる。筆者は凶悪犯罪抑止効果と被害者や遺族の視点から、死刑制度に賛成の立場だ。(編集担当:森高龍二)