トヨタ、ブランドの核となるハイブリッド車のアイコン「プリウス」の5代目新型公開

2022年11月18日 06:31

TOYOTA NEW PRIUS_2 Conference

新型プリウスはエモーショナルなデザインを指向し、プリウス独自のアイコンである「モノフォルムシルエット」を引き継ぎ、HEVとPHEVをラインアップする

 トヨタ自動車は、ハイブリッド専用ベストセラー車を5代目にフルモデルチェンジ、新型5th「プリウス」を世界初公開した。シリーズパラレル型ハイブリッド車(HEV)は2022年冬、プラグインハイブリッド車(PHEV)は2023年春頃に発売を予定する。

 プリウスは、1997年の初代デビューから25年間、車名の意「先駆け」のとおり、世界初の量産ハイブリッド車として好燃費をアピールしたエコカーHEVの普及を牽引した。これまでのプリウスのグローバル累計販売台数は約505万台に達する。そのプリウスを起点として、現在トヨタではBセグコンパクトから中型SUV、3列シートのミニバン、商用バン&トラックに至るまで、ほぼすべての車種にラインアップしている。

 このような25年の歴史を背景に、「次の25年、プリウスはどうあるべきか?」と、開発チームがそのあり方をゼロから生み出したコンセプト、それが「Hybrid Reborn」だ。

 いま、次世代パワートレーンとして多様な選択肢が生まれるなかで、HEVであるプリウスがこれからの時代も選ばれる愛車であるために、5代目新型は強みである高い環境性能に加え、「ひと目惚れするデザイン」と「虜にさせる走り」を兼ね備えた、「合理的なベネフィットではなく、エモーショナルな愛車」となるクルマを目指して開発した。

 Hybrid Rebornを表現するエモーショナルな外観デザインは、プリウス独自のアイコンである「モノフォルムシルエット」を引き継ぎ、第2世代TNGAプラットフォームによる、さらなる低重心化や、19インチ大径タイヤの採用よって、よりスタイリッシュなプロポーションへ生まれ変わった。

 内装は、「アイランドアーキテクチャー」コンセプトにより、圧迫感のない広々とした空間と運転に集中しやすいコックピットを両立。直感的に操作ができ、運転を楽しめる室内空間とした。インパネには、トヨタ初採用の「イルミネーション通知システム」を設定。アンビエントライトとして室内を彩りながら、トヨタセーフティセンスと連動する新機能デザインを採用。対象物を検知した際、アラームが鳴る前にイルミネーションの点滅でドライバーへ注意喚起し、安心安全なドライブをサポートする。

 パワートレーンはPEVとPHEV。PHEVは従来型を大幅に上回る加速性能と静粛性を実現した、2.0リッタープラグインハイブリッドシステムをトヨタ初採用した。高効率のダイナミックフォースエンジンと、高出力の駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせ、従来型同等の低燃費を維持しつつ、164kW(223ps)のシステム最高出力を達成。PHEVの力強い加速性能は0-100km/h加速値6.7秒をマークする圧倒的な動力性能を実現した。

 PHEVモデルのEVモード走行距離は、従来型に比べ50%以上向上。日常生活の大部分をEV走行だけでカバーできるバッテリー性能を獲得した。また、充電中にパワースイッチをオンにすると、外部電源の電力を利用してエアコンやオーディオの使用が可能となるモードを設定した。

 PEVは、最新のハイブリッドシステムを採用。従来型同等の低燃費を達成しつつ、胸のすくような加速感やドライバーの思い通りに反応するレスポンスの良い走りを実現した。システム最高出力は、2.0リッター車が144kW(193ps)で従来比1.6倍となり、スポーティに生まれ変わったプリウスにふさわしい動力性能を確保した。

 熟成を重ねたTNGAプラットフォームをベースは、ボディの各所に補強を施し、より剛性を高めたほか、静粛性も向上させた。足回りは、改良を加えた前マクファーソンストラット式、後ダブルウィッシュボーン式のサスペンションを採用。直進ではどっしりと、コーナーではドライバーの意図に応じた車両応答性、高いライントレース性を実現。最新のパワートレーンとの組み合わせで、ドライバーを虜にする運動性能を備えている。

 外部に電力を供給するアクセサリーコンセント(AC100V・1,500W)はセンターコンソール後端とラゲージルームの2カ所に設置。エンジンを始動せずにバッテリーだけで給電する「EV給電モード」、バッテリー残量が低下するとエンジンで発電する「HV給電モード」が選択可能だ。給電時に室内への虫や雨水などの侵入を防ぐ外部給電アタッチメントを標準で用意し、ドアガラスを閉じたままでの外部給電を可能とした。正式な価格などは未発表だ。っそれぞれの発売時を待ちたい。(編集担当:吉田恒)