岸田文雄総理は19日の内外記者会見で「国際環境の変容と日本の国内政治の変化は、日本の安全保障・防衛政策にどのような影響を及ぼしているでしょうか。憲法9条の見直しを試みるのか」とのデイリーニュース・パタラポーン・パイブンシン外信部長の質問に「我が国は『憲法9条(戦争の放棄)』及び前文に示されている『平和主義の理念』、これはこれからも守っていく」と答えた。
そのうえで「この平和主義の理念の下に安全保障について考えていく、こうした姿勢はこれからも変わらない。こうした我が国の考え方、我が国の防衛力に対する対応についても、できるだけ透明性をもって関係各国に説明を続けていきたい」と答えた。
また「ロシアによるウクライナ侵略は明白な国際法違反であり、力による一方的な現状変更であり、欧州のみならず、アジアを含む国際秩序の根幹を揺るがすもの。ウクライナ侵略のような力による一方的な現状変更をインド太平洋、とりわけ東アジアで許してはならないと思う」と強調した。
岸田総理は「平和と繁栄を確保するため、日本の外交・安全保障面での役割を強化する」とし「年末までに新たな国家安全保障戦略等を策定し、我が国自身の防衛力の抜本的強化に取組む。同時に日米同盟の抑止力・対処力の強化をしっかり図っていく。自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた取組みを関係国や地域のパートナーとも連携しつつ推進していく」と答えた。抜本的防衛力強化の実現は財源確保と一体であるため、どのような強化を図るのか、その財源をどこに求めるのか、注視されている。(編集担当:森高龍二)