子どもの絵本でも北方領土がロシア領で表記

2011年10月31日 11:00

 文部科学省が後援している国際地理オリンピック日本委員会が行っている「国際地理オリンピック」の募集ポスターで北方領土がロシア領と表記された地球儀の写真が使用されていた問題が28日開かれた参議院沖縄および北方問題特別委員会で長谷川岳議員から取り上げられ、城井崇文部科学大臣政務官は「由々しき事案が発生したことはまことに遺憾」とするとともに「ことの重大さをしっかり受け止め、再発防止を徹底する」と答弁した。

 この問題について、城井文部科学大臣政務官は「10月5日に国際地理オリンピック日本委員会にポスター作製の経緯、再発防止策について報告を求め、10月24日に報告書が提出された」とし、パソコンのディスプレイ上の確認に留まったことにより誤りが見落とされたなども伝えた。

 また、城井文部科学大臣政務官は国際地理オリンピック日本委員会はポスターを作製しなおし、問題のポスターは全て廃棄処分にすることに決めたと聞いているとした。また、ポスター作製に携わった委員全員に対し厳重注意されたと聞いていると答えた。

 長谷川議員は同様に文部科学省所管の社団法人日本図書協会が全国の図書館に推奨する子供向け絵本「こっきのえほん」においても、北方領土がロシア領として色づけられていた問題をとりあげ、政府の対応や北方領土が日本固有の領土であることへの周知などを求めた。

 城井文部科学大臣政務官は日本図書協会から事情聴取を行った結果、昭和62年の初版では北方4島は日本の領土として色分けされていたが、平成6年に発行者側が無断で内容を変更したことが明らかになった、と答えた。また、「協会に対し、書籍の選定取り消しも含めて対応するよう指導している」とした。

 川端達夫沖縄および北方対策担当大臣は「このような事態が起こったことに対し、文部科学省に対して報告を求め、遺憾の意を伝えた。北方領土が日本固有の領土であることを周知徹底していきたい」と答えた。(編集担当:福角忠夫)