同性婚の法制化や国勢調査での実態把握を要請

2023年02月08日 07:14

 荒井勝喜総理秘書官(2月3日当時)のLGBTに対する差別発言を受け、Marriage For All Japanの寺原真希子共同代表理事らは6日、荒井氏の発言に対し抗議するとともに「多様性を大切にする政府であればアクションを起こしてほしい」と同性婚の法制化法案作成など環境整備を急ぐように要請した。

 対応した森まさこ総理補佐官は「官邸として大変申し訳なく思っている。頂いた要請事項は必ず岸田首相に伝える」と陳謝した。

 寺原氏らは「今回の差別発言によって今年のG7広島サミットの議長国である日本政府がLGBTQの人権意識について、他のG7諸国から大きく立ち遅れていることが改めて明らかになりました。私たちは結婚の平等(同性婚の法制化)実現に向け、G7広島サミットの議長国にふさわしい人権意識をもって日本政府が施策運営にあたるべく、今後も活動を継続して参ります」と団体のHPで法制化への取組みを発信した。

 また岸田総理宛の要請文には岸田総理が1日の衆院予算委員会で同性婚の法制化に関して「家族観や価値観、社会が変わってしまう課題だ」とした答弁に対しても「発言は性的マイノリティを平等に扱うことへの抵抗感の表明であり、本件差別発言と通じるもの。政府の考えは現在の日本社会の実情や国際的な人権感覚から大きく乖離しており、その根本には本件差別発言と同様の性的マイノリティや法律上同性同士のカップルに対する偏見、無理解があるものといえる」と問題視した。

 寺原さんらは法律上同性同士のカップルが結婚することができるよう、民法及び戸籍法を改正する法案(結婚平等法案)の作成にただちに着手すること。性的マイノリティの権利保障について検討するワーキングチームを組成し、同性カップルやその家族等からヒアリングをすること。性的マイノリティの人権問題を専門に担当する首相補佐官を速やかに任命してください。2025年の国勢調査で法律上同性同士のカップルの実態を把握できるようにしてください、と求めている。(編集担当:森高龍二)