「一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない」と放送法違反を認定してテレビ局の電波を止めることができる言論弾圧につながりかねない道を開く解釈をして、これを「補充的説明」とうそぶく政府。
背景に当時、安保法制に関するテレビ番組への安倍政権側に不満があったようだが、安倍政権下で総理補佐官をしていた磯﨑陽輔氏が事実上の放送法解釈の見直しを迫った記録が残る「行政文書」に対し、当時、総務大臣だった高市早苗経済安全保障担当大臣は14日、衆院本会議で磯﨑氏から影響は受けていないと主張し「委員会前夜の私と大臣室の答弁案に関するやり取りのメールや答弁案を作成した課から大臣室に送られてきた資料についてお求めいただければ、本院に提出させて頂きたく存じます」と答えた。
この問題を表面化させた立憲民主党の小西洋之参院議員はツイッターで「私が提供を受け、総務省が行政文書と認定した文書には、高市大臣が礒崎氏の『シナリオ』に応じて、藤川議員の質問に答弁したことが明確に記録されている。そのシナリオの答弁書などを公開しても、高市大臣が違法な解釈作成に関与し、それを答弁したことの免責には全くならない」と断じた。
そもそも、高市大臣は総務省が認めた「行政文書」を当初「怪文書」などとし、国会答弁では「捏造」、ついには「自身に関する4ページは捏造」と言い逃れとしか取れない発言が続いている。大臣レクも当初ないとしながら「受けた可能性はあり得る」と不利な証拠が示されるたびに答弁が変わる。
小西氏は「ねつ造と不正確は意味が全く異なる。ねつ造とは、ないことを故意にあるとでっち上げることだ。不正確とは、あると認識したことの記載が事実に照らして不十分だったものだ。不正確には、故意のでっち上げという要素はない。しかも、高市大臣は総務官僚が悪意で攻撃したと答弁している」とこれまでの国会での答弁を指摘する。
また高市大臣が「委員会前夜の私と大臣室の答弁案に関するやり取りのメールや答弁案を作成した課から大臣室に送られてきた資料について求められれば衆院に提出する」とした答弁に小西氏は「高市大臣が言っているのは2015年5月の大臣答弁前日の官僚レクでの答弁案や資料、関連メールだ。事件の本質とは無関係のどうでもいい資料だ。内部文書が示す大臣レクの時期などのメールを調査し公表すべきだ。違法なプロセスの更なる証拠がある可能性がある」と提起している。(編集担当:森高龍二)