岸田文雄総理は17日の記者会見で、放送法の政治的公平を巡る解釈問題について「総務省が(2015年に)放送法を所管する立場から、責任を持って従来の解釈を変更することなく補充的な説明を行ったものとしていると承知している。この考え方は一貫して維持されている」などと解釈の変更はしていないと強調した。
しかし、当時、安倍晋三総理は「これまでの放送法の解釈がおかしい」などとしていたことや磯﨑陽輔総理補佐官からレクを受けていたことなどの経緯をふまえると「一つの番組でも極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない」などと放送法違反を認定してテレビ局の電波を止めることができる道を開いたことが『補充的説明』にとどまるものと言えるのか。
放送法の目的としていることが戦前の教訓を踏まえ、新憲法下で保障された「言論の自由、表現の自由」が時の政権などから侵害されないことを目指したものであることからしても、2015年以前からも現在のような放送法の解釈が行われていたという説明に説得力はない。
岸田総理は行政文書の正確性については「総務省において精査を行っていると承知している」とのみ答えた。
高市大臣は総務省が認めた「行政文書」を当初「怪文書」などとし、国会答弁では「捏造」、ついには「自身に関する4ページは捏造」さらに「内容が不正確」などと官僚の記録した極めて客観性が高いと言える当時のメモより、自身の記憶の方が正確であるような主張を続けている。共同通信の世論調査では回答者の73%が高市大臣の答弁(主張)に「納得できない」と答えている。客観的な証拠を積み上げていくことが必要だ。
高市大臣を巡っては旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との接点でも自主的説明では世界日報に1回退散があったとしたものだったが、赤旗は当時の世界日報に登場している高市大臣の掲載箇所を赤旗日曜版(3月19日号)で紹介しており、5回の登場が確認されている。(編集担当:森高龍二)