トヨタ自動車は、新たなモビリティシリーズ「C+walk」の第2弾として、歩道での移動をアシストする「C+walk S(シーウォークエス)」を、トヨタの販売店で発売するとともに、リース店においても取り扱いを開始したと発表した。
同時に、立ち乗りタイプのC+walk TおよびC+podを一部改良。C+walk Tは、4月に予定されている改正道路交通法に適合した歩道(公道)で移動可能なモデルとして5月に発売を予定。C+podは、3月20日よりリース契約での取り扱いを開始したという。
国内人口の高齢化が進む現在、75歳以上の高齢者において、無理なく休まずに歩ける距離が100mまでと答えた方の割合は約2割だったと国土交通省の調査結果で明らかにされており、外出する頻度も同じ調査で、65歳未満に比べ1割程度低く、なかでも運転免許を持っていない高齢者はさらに、2割程度外出する頻度が低くなるとの結果も出ている。一般的に、加齢とともに身体能力が低下するため、買い物や外出といった日常生活に制約が見受けられると考えられている。
トヨタは、“Mobility for all──全ての人に移動の自由を”の実現に向けて、さまざまな選択肢を提供し続けている。地域の足として気軽に使えるC+podから歩道で移動可能なC+walkシリーズまで、個々人のライフステージに合わせたモビリティとして提案。その根底にあるのは「人」中心の豊かな社会の実現だ。利用者の行動範囲を広げ、自立を支援し、より多くの人が「笑顔」になることをサポートしていきたいとしている。
さらに、トヨタ販売店とともに地域の困りごとに寄り添い、C+podやC+walkシリーズを活用した新たな事業モデルの実現に向け、法人や自治体と検討を進めている。一例として、自治体と協力し合い、4月頃から福島県塙町駅周辺で住民や観光客の移動を助ける手段にC+walk Sを活用。地域交通の補完としてその可能性を調査し、より良いモビリティ社会の実現を目指すという。
C+walk Sは、自立歩行はできるものの、日常生活の中で長距離・長時間の歩行に困難を感じている方々をサポート。歩道走行で前方の路面状況を把握しやすい3輪タイプのモビリティ。人の「歩く」速さで移動することで、周りの歩行者と並んで会話ができるなど歩行空間での高い親和性を追求。
走行時前方の人や障害物との衝突回避に寄与する障害物検知機能を設定。ボディ前面の周辺検知センサーが検知すると、警告音とパネル表示で警告し約2km/h まで自動的に減速をサポート。ハンドルを操作し回避するゆとりを生み出す。また、旋回速度抑制機能ならびに急斜面検知機能を標準装備。カーブなどのハンドル操作時、操舵角を検知しその大きさに応じて減速をサポート。さらに、傾斜地での走行においても、急斜面侵入を通知し降坂時の速度によっては減速をサポートするなど利用者の安全な走行と歩行者との共存を目指した。
価格は49.8万円から。ユーザーの症状によって介護保険の適用が可能だ。(編集担当:吉田恒)