政府は19日、スーダンからの邦人退避へ自衛隊機派遣準備に入ったと発表した。スーダンでは15日、ハルツーム市内でスーダン国軍と準軍事組織の即応支援部隊が衝突、多数の死傷者が出ている。現地治安の悪化を受けての対応で、邦人の安全確保に万全を期すとしている。
林芳正外務大臣はスーダン国軍と準軍事組織・即応支援部隊との今回の衝突は憲法宣言に基づく民政移管を損なうもので深く憂慮する、とし「すべての当事者に対し即時暴力停止を呼びかける」との外務大臣談話を16日に発出していた。
また「G7等の同志国とともに地域の関係国と協力しつつ、民政移管に向けたスーダンの取組みを後押ししていく」と日本政府の立場を明確に示した。
松野博一官房長官は19日「(現時点で)スーダンには大使館員含め約60人の邦人がいる」とし「これまでのところ現地在留邦人の生命、身体に危害が及んでいる情報には接していないが、水、食糧が不足し、頻繁に停電が起こるなど厳しい状況にある」と治安情勢悪化を踏まえ、内閣危機管理監をヘッドとする官邸対策室を設置。「邦人の安全確保に万全を期す」と強調した。(編集担当:森高龍二)