岸田文雄総理は7日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領との会談後の共同記者会見で、冒頭に「3月に尹大統領を東京にお迎えしてから、かくも早く、ソウルを訪問し、シャトル外交を本格化できたことを嬉しい」と思いを語った。日本の総理としては12年ぶりの訪問となる。
岸田総理は「先般のスーダンにおける邦人退避に際し、人命がかかる困難な状況の中で、韓国から多大な協力を頂いたことに改めて感謝を申し上げます」と謝意を伝えた。
そのうえで「3月に尹大統領が示された決断力と行動力に改めて敬意を表したい。日韓関係の強化にかける強い思いを私も共有しており、今回、尹大統領との連帯を図り、またG7サミットに向けて忌憚なく意見を交わすべく早い時期の訪問に踏み切った」と述べた。
岸田総理は日韓両政府の経済面等での対話が加速化していることにも触れた。岸田総理は「今月2日に、仁川(インチョン)で財務大臣会談が7年ぶりに行われ、財務対話の再開で一致した。金融、観光から文化芸術に至るまで幅広い分野で対話が動いている」と強調。
また「輸出管理当局間の対話も精力的に行われ、日本政府として韓国を『グループA』に追加することに向け手続を進めている」と述べた。
また「新たに立ち上げた経済安全保障協議の第1回会合が今月3日、双方の国家安全保障当局トップ間で実施され、サプライチェーンの強靱化など連携強化で一致した。外務防衛当局による安保対話も5年ぶりに再開された。日韓中プロセスについても議長国である韓国の取組みを支持することをお伝えいした」と日本での日韓首脳会談後、2か月の短期間で大きく前進していることを成果として挙げた。(編集担当:森高龍二)