安倍晋三総理は28日、国会で施政方針演説を行い、安全保障について「外交・安全保障政策の司令塔となる国家安全保障会議の設置に向けて検討を本格化する」と表明した。
また集団的自衛権については「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会において、21世紀の国際情勢にふさわしい我が国の立ち位置を追求していく」と集団的自衛権の行使に対する現憲法下での歴代政府の解釈を変更することを視野に入れた取り組みを進める姿勢を鮮明にした。また「危機にあって大切なことは、大局を見失わないことだ」と強調した。
安倍総理は演説の中で「日本の領土・領海・領空や主権に対する挑発が続いている」と語るとともに「我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している」としたうえで「海上保安庁・警察・自衛隊の先頭に立って、国民の生命・財産、我が国の領土・領海・領空を断固として守り抜く決意だ」と総理としての立ち位置を改めて表明した。
また、安倍総理は「11年ぶりに防衛関係費の増加を図る」とし「今後、防衛大綱を見直し、南西地域を含め自衛隊の対応能力の向上に取り組んでいく」と強調。「安全保障の危機は今、そこにある危機」とし、「この瞬間も、海上保安庁や警察、自衛隊の諸君は強い意志と忍耐力で任務に当たっている。与野党を超えて、今、この場から、彼らに対し、感謝の意を表そうではありませんか」と呼びかけた。(編集担当:森高龍二)