長引いたコロナ禍もようやく終息に向かいつつあり、さあこれからと意気込んで空を見上げると、黒く垂れ込める雨雲。そんな梅雨空にうんざりとしている人も多いのではないだろうか。湿気も多く、体調も崩しがち。何とか快適に過ごす方法はないものだろうか。
そんな中、積水ハウスの研究機関である住生活研究所が、全国の20~60代の既婚男女を対象に実施した「梅雨の暮らしに関する調査」の結果を発表した。
それによると、梅雨の時期における困りごととして「洗濯物のにおいや乾きにくさ」を挙げる人が55.5%、次いで「室温や湿度の調整や管理」が44.9%、「濡れた傘や靴や持ち物の保管」が43.1%となっており、やはり梅雨の時期は、雨や湿気に関わる悩みがかなり多いことが分かる。
中でも最も多かった「洗濯物のにおいや乾きにくさ」に悩んでいると答えた人の60.5%が、部屋干し用の洗剤類を使用したり、扇風機やサーキュレーター、除湿機や乾燥除湿機、エアコンなど、多様なタイプの空調家電を駆使して部屋干し対策を行っているようだ。しかし、46.5%の人が「電気代が上がる」と回答しているように、昨今の電気代高騰も梅雨時期の間接的な悩みの一つとなっているようで、「晴れた日にのみ洗濯する」と回答している人も15%もいるのが興味深い。また、コインランドリーを活用すると答えている人も15.6%となっている。一回あたりの費用はかさむものの、毛布やシーツ、カーテンなど大きな物を洗うのに便利で、しかも家庭用よりも高性能なので時短にもなることが大きな理由だろう。
洗濯問題と並ぶ悩みの「室温と湿度」については、具体的にはカビ対策が大きな困りごとになっているようだ。浴室の壁や床・天井をはじめ、洗面室・脱衣室の壁や床・天井など水回りの空間はもちろん、エアコンの内部や、クローゼットや下駄箱などの収納周りのカビの発生を懸念する人も2割以上にのぼる。同調査では、濡れた傘・雨靴を「玄関土間」に置く人が約4割、約3割が濡れた雨靴をそのまま下駄箱・玄関収納に収めると回答しており、確かにカビの発生しやすい行動パターンになってしまっているようだ。
積水ハウスでは、玄関土間に傘を直置きしている人に向け、雨の日用の傘立てを置くことを提案している。そうすれば、濡れた傘がまとまり、玄関にある他の物を濡らさずに済む。また、玄関土間にハンガーラックを置いておくと、濡れた上着やレインコートを干せる上に、雨の日や梅雨時期以外でも、花粉を室内に持ち込まない等の効果を発揮するという小さな暮らしのコツも紹介している。
同社のサイトでは、このような梅雨の暮らしを幸せにするコツを「4つのTips」にまとめて紹介している。住宅のトップメーカーが多くの事例や実績から導き出した暮らしのヒントなので、実際の暮らしに寄り添った役立つものが多い。梅雨の暮らしにストレスを感じた時は、参考にしてはいかがだろうか。(編集担当:藤原伊織)