野田佳彦元総理は岸田文雄総理が「異次元の少子化対策」の財源を巡り『子ども金庫』なる名称の特別会計創設を示していることに、26日、自身のブログで「経験から言えることは、特別会計は受益と負担の関係を明確にすること。入るも出るも不透明な特会は無駄の温床になる」と強く警鐘を鳴らした。
野田氏は東日本大震災の復興特別会計を創設した経験者。野田氏は、その際「所得税や法人税の増税、日本郵政株の売却などを細かく決め、約30兆円の財源を手当てした」としたうえで、少子化対策に「なぜ、一般会計では対応できないのか」を質した。これに鈴木俊一財務大臣の答弁は明快ではなかった、と懸念を示している。
野田氏は「古代中国の経書『礼記』は『入るを量りて、出るを制す』ことを財政運営の要諦としている。が、岸田政権の少子化対策はその真逆」。「児童手当の拡充など当初3兆円と見込んでいた総額(=出る)は総理の鶴の一声で5000億円も膨らんだ。財源(=入る)は『実質的な追加負担は生じない』との一点張りで、事実上先送り」。
野田氏は「財源確保の道筋が定かでないため『こども特例国債』を発行することになった」が「要は通常より短い期間で償還する『つなぎ国債』。財源の確保を先送りし、将来世代の借金頼みで見切り発車するのは無責任過ぎないかと、鈴木大臣に問いました。残念ながら、暖簾に腕押しでした」と記した。そのうえで「岸田政権は国民の負担に関わる課題については先送りで『逃』げてばかり」と。(編集担当:森高龍二)