リトアニア訪問中の岸田文雄総理は現地時間の12日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)韓国大統領と会談。東京電力福島第一原発事故で増え続ける放射性物質による汚染水のALPS処理水を海洋放出することに対し、理解を求めた。
外務省によると、岸田総理は(1)海洋放出の開始後、国際原子力機関(IAEA)によるレビューを受けながら我が国が行うモニタリング情報を透明性高く迅速に公表する(2)万一、同モニタリングにより放射性物質濃度が基準値を超えるなどの問題が発生した場合、直ちに放出を中断することを含め、適切な対応をとるなどを伝えた。
また(3)日本の総理として、海洋放出の安全性に万全を期し、自国民及び韓国国民の健康や環境に悪影響を与える放出は行われない旨を伝えたとしている。
外務省は岸田総理の説明に対し、尹大統領からIAEA包括報告書の内容を尊重することを含め、韓国政府の立場の説明があったとしている。聯合ニュースは尹大統領がALPS処理水を海洋放出する放出点検過程に韓国の専門家も参加できるようにしてもらいたいと要請したと報じた。13日には大統領が日本側と早速協議する考えを示したとしている。
放出計画通りに放出基準を厳格に守っているかどうか、チャック機能は複数ある方が日本にとっても良い結果を生む。韓国に限らず、懸念を示している国からの専門家の参加はむしろ歓迎するべきだろう。IAEAは海洋放出完了まで職員を常駐させると表明している。(編集担当:森高龍二)