野田佳彦元総理は30日のブログで、国会での岸田文雄総理の所信表明演説に「議席に座りながら、立ちくらみがした」と内容を酷評した。
野田氏は岸田総理が所信表明冒頭で「時代の変化に応じた先送りできない課題に一つ一つ挑戦し、結果をお示ししてきました。今後も、物価高をはじめ国民が直面する課題に、『先送りせず、必ず答えを出す』との不撓不屈の覚悟をもって取り組んでいきます」と述べた。
ところが、実態は「防衛力の抜本的強化や次元の異なるこども・子育て政策は、兆単位の財源論を先送りしているではありませんか。お品書きを時価としか書いていないお店に入ってしまったような強い不安を、国民は岸田政権の財政運営にも抱いていると思います」と5年間で43兆円の防衛力の強化財源をどうするのか、子ども・子育て政策費用の捻出は、と先送りせず答えを出すといいながら、先送りばかりに愕然としたようだ。
野田氏は「総理が経済対策の策定を指示したのは9月26日です。正式にまとまるのは11月2日だそうです。指示も遅いが作業も遅すぎ」とも。
岸田総理の「所得税減税」にも「与党政調会長らに指示したのは10月20日」で「所信表明演説の中で一言も所得税減税は語られませんでした。減税は考え抜かれた経済対策ではなく、思いつきの選挙対策だったのでしょう。典型的な愚民思想です」とバッサリ。
また「減税は法改正を伴うため、年明けの通常国会で所得税法改正案が成立するまでは実施できません。企業も源泉徴収のシステム対応をしなければなりません。減税実施は来夏以降になるでしょう。立憲は中間層の現役世代を含めた全体の6割の世帯に3万円の『インフレ手当』を給付すべきだと提案しています。これなら今年中に給付可能です」と即効性のある取組みをしなければ、と岸田政権の対応に疑問符を付けた。(編集担当:森高龍二)