政府は特定の半導体分野で外資系企業を対象に総額1兆6644億円を補助する。これについて国家戦略として妥当か、との質問主意書に対し、18日までに「我が国おいて特定半導体の生産施設などが整備され、生産が行われることは半導体製造装置や半導体材料などの関連産業の集積、人材などを通じて半導体技術の向上、半導体産業の発展に資する。『費用対効果の観点からも政策の妥当性は認められない』とする指摘は当たらない」との政府答弁を行った。
須藤元気参議院議員の質問に答えた。須藤氏は外資系企業を対象とした企業への補助例として、世界最大の専業半導体ファンドリー、台湾TCMCに1兆2080億円(熊本での半導体製造)、米国マイクロン・テクノロジーに2135億円、キオクシアに2429億円を補助。
また研究開発補助金としてポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発基金から台湾TSMCのつくば市の研究開発拠点新設に190億円、マイクロン・テクノロジーの次世代メモリ研究開発に250億円を計上するなどをあげ、こうした補助に対し「外資系企業は需給の変動に応じた特定半導体の日本国内における安定的な供給を保証するものではなく、我が国の技術向上の担い手となりえるかは極めて怪しい」と政府の考えを質していた。(編集担当:森高龍二)