ロート製薬、フレンチと薬膳の融合で「食」ビジネス参入

2013年03月02日 17:55

 梅田新歩道橋の命名権を獲得したことで話題のロート製薬<4527>が「グランフロント大阪・ナレッジキャピタル」に薬膳フレンチレストランを開業する。

 この「グランフロント大阪」とは、梅田貨物駅を中心とする約24haの「うめきた」(都市再生緊急整備地域内)において、大阪経済活性化の拠点として最も注目されるビジネスとサービスの複合施設。なかでも、中核施設として位置付けられていえるナレッジキャピタルは新たな知的価値を創り出す複合施設で、企業や研究機関、大学、アーティスト、消費者らの交流スペースや先端技術の展示スペース、またコンベンション施設や多目的劇場も設置される。

 ロート製薬はこのナレッジキャピタルに「Smart Camp(スマートキャンプ) うめきた」をオープンさせる。この施設では薬膳フレンチレストラン、都会型野菜農園、リラクセーションサロンを展開。中核となるのは、日本を代表するフレンチの巨匠 三國清三シェフがプロデュースするレストラン『旬穀旬菜(しゅんこくしゅんさい)』で、世界無形文化遺産に認定された「高級フランス料理」に、ロートオリジナル家庭薬膳で実践してきた「食」へのこだわりを加え、高級フレンチをカジュアルでヘルシーに進化させた。新しくメニュー開発された「薬膳フレンチ・グローバル薬膳キュイジーヌ」は、高級フレンチの「素材を活かす」技法とおいしいエッセンスが家庭薬膳に加わるという。

 同レストランに隣接して展開する都会型農園『旬穀旬菜シティファーム』は、都会で行う近未来農業をコンセプトにした、完全無農薬のセラミック栽培。ケース単位で栽培できるため、葉野菜や果菜、根野菜など多種類の野菜を完全無農薬で安定的、かつ季節野菜を1年通して計画的に生産できる。「栽培され、収穫された野菜は『旬穀旬菜(しゅんこくしゅんさい)』レシピにも使用します。近未来的な作付けと収穫を実践する試みであり、将来、土のない宇宙や土が使えない被災地での栽培にも貢献できるチャンスがあります」と担当者。さらに、リラクセーションサロン『HOLISTIC LAB』では、同社が社員の福利厚生として実践し研究を重ねてきた中から厳選したウェルネスメニューを提供させていただき、頭からつま先までのトータルケアを行うという。

 大阪から世界へのゲートウェイとして開発が進むうめきたの中で、今回の「グランフロント大阪」のオープンは最大規模といっても過言ではない。ここを拠点に様々な企業や団体が、様々な展開を行う。関西だけでなく、広い意味で日本経済の発展につながるオープンであることに期待したい。(編集担当:宮園奈美)