石破茂総理は9日、記者会見し、地方創生に関して「政府と47都道府県、1718市町村、23東京特別区、そういう自治体がもう一度、心を一つに、10年前の一体感をもう一度取り戻したい。一人一人の市町村長の皆様、住民の皆様が一緒にやろうと、そういう思いをもう一度取り戻したい」と訴えた。
石破総理は「(石破内閣は)地方を守る政権であり、今や全国の地方で地域そのものが消滅する、言わば『静かな有事』が起きている」と危機感を示した。
そのうえで「この10年間の成果、反省を踏まえ『地方創生2.0』として、次の10年を期間として、地方創生を再起動する。地方創生に向けた新しい本部を今週にも設置し、年末に向け、基本的な考え方を取りまとめる」と表明した。
10年前の地方創生予算は1000億円だったが、石破総理は「地方創生の交付金を当初予算ベースで倍増させ、地域の独自の取組みを強力に後押しする。農林水産業の持てる力を最大限に引き出し、観光業を始めとするサービス産業の高付加価値化、AI(人工知能)・半導体に対する民間企業の投資を引き出す計画的な支援などを進めていく」と語った。
石破総理は「2年間、地方創生担当大臣を務めて、全国のいろいろな、素敵だなと思える事例を見てきた。地方鉄道であれば、いすみ鉄道であり、えちぜん鉄道。本当にこうすれば生産性が上がるよね、付加価値が上がってお客さんが来てくれるよね、そういうものを普遍化していくことによって、どうせできないやではない、一緒になってやろう、そういう一体感を取り戻していくことが大事と思っている」と強調。
記者団が鳥取でも人口減少は止まらず、人口流出、都市部への流出は止まっていないと質したのには「出生率も高い、移住される方も多い、だけれども、出て行く人が多い。特に18歳、22歳、どうしたらそういう方々がとどまっていただけるか。あるいは都市部におられる40代、50代の方がもう一度人生を地方でやってみよう、そういう思いになっていただけるか。あらゆるできることを総動員して、もう一度、地方創生は日本創生、そういう思いで取組んでいく」と答えた。(編集担当:森高龍二)