令和のマイホームは「平屋」が主流? 約半数以上が平屋暮らしに憧れる理由

2024年12月08日 10:24

平屋外観CG完成稿

平屋ブームの一つの原因と考えられるのは、超高齢化社会だ

 今、住宅業界では、平屋の人気が高まっているのだという。

 国土交通省が発表した建築着工統計調査報告によると、2012年から23年までの10年間で、年間に建てられた平屋の建築数が約1.8倍に増加しており、他の住宅関連業者などのアンケート調査などでも、「平屋に住みたい」「戸建てを考えるなら平屋」と回答している人が半数、もしくはそれ以上と、非常に高い割合を占めている。でも、どうしてそれほどまでに平屋が人気なのだろうか。

 平屋ブームの一つの原因と考えられるのは、超高齢化社会だ。日本は現在、世界でもトップレベルの長寿国で、厚生労働省の推計によると、2024年時点での日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳となっている。老後の暮らしを考えた場合、ワンフロアで階段の上り下りがなく、生活動線も短くて家事効率の良い平屋暮らしは最適というわけだ。

 また、平屋のイメージが昔と大きく変わりつつあるのも、平屋人気の大きな理由だろう。以前までは、ワンフロアしかない平屋は、家族で暮らすにはどうしても生活スペースにゆとりが少ないようなイメージを待たれがちだったが、今の平屋は違う。住宅メーカー各社が力を入れて販売している最新の平屋の中にはむしろ、ゆとりに満ちた豊かな生活を想像できるようなものが増えているのだ。

 例えば、アキュラホームの「超空間の平屋」も、そんな平屋住宅プランの一つだ。

 アキュラホームといえば、リビングの中にキリンが登場するテレビCMなどでもおなじみの、木造住宅ながらも鉄筋・鉄骨並みの開放感のある間取りを提案している住宅メーカーだ。同社では、そのノウハウを平屋造りでも活かし、天井高2.8メートルで自然光をふんだんに取り入れた開放感のあるリビングを中心とした超空間を提案。高耐久、高断熱、高気密でZEH仕様はもちろん、耐震等級3級、耐風性能にも非常に優れた防災性能に加え、同社独自の「AQ地震建替保証」が標準使用。全国各地の住宅展示場でも来場者から高い評価を得ているという。

 大和ハウスもまた、平屋に注力しているメーカーの一つだ。

 平屋人気が高い理由の一つに「庭と近い」という意見が多いことから、同社ではリビングの延長にアウトドアデッキを設けて、室内から庭までを大開口でひとつづきにするなど、「ソトとウチがつながる平屋の暮らし」を提案。ガーデニングを楽しんだり、ガーデンパーティで盛り上がったり、平屋暮らしをより魅力的にするライフスタイルを勧めている。

 また、住友林業の平屋プラン「GRAND LIFE」では、ワンフロアで完結する暮らしの心地良さはもちろん、そこにセカンドリビングや趣味の空間、収納スペースにも使える1.5階建てのプラン「プラスカイ」を提案している。2階建てよりもコストダウンが図れ、建蔽率が低い土地にも対応する上、超プライベートな空間も確保できるので、人気のプランとなっているようだ。

 そんな平屋人気の一方で、防犯面や防災面で心配する声もある。確かに、平屋は地震等には強いといわれる反面、豪雨や河川の氾濫による、床下浸水や床上浸水のリスクはある。また、2階建てと同程度の間取りを確保しようとすると、より広い土地が必要となる。平屋暮らしに憧れて建ててはみたけれど、不安で窮屈な暮らしを送ることになってしまっては目も当てられない。平屋住宅の新築や改築などを考える際は、流行に流されるのではなく、住宅メーカーともじっくりと相談して、慎重に検討するようにしてもらいたい。(編集担当:藤原伊織)