今回のニュースのポイント
ソフトバンクの2026年3月期決算は、売上高が前期比7.6%増の7兆387億円、最終利益は4.7%増の5,508億円となり、過去最高益を更新しました。モバイル事業の安定収益を基盤に、法人事業や金融事業(PayPayグループ)が成長を牽引しています。OpenAIとの提携やAIデータセンターへの投資を本格化させ、通信の枠を超えた次世代社会インフラ企業への転換を加速させています。
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携帯電話大手のソフトバンクが、モバイル事業の安定収益を基盤に、法人DXや金融、AIインフラなど「ポスト通信」の収益源を強化することで、収益構造の多角化を進めています。同社が11日に発表した2026年3月期連結決算(IFRS)は、売上高7兆387億円(前期比7.6%増)、営業利益1兆426億円(同5.4%増)、親会社の所有者に帰属する純利益5,508億円(同4.7%増)と、主要な利益項目で過去最高を更新しました。
成長を支えているのは、法人事業(エンタープライズ)と金融事業(PayPayグループ)の拡大です。法人事業はクラウドやセキュリティ、AI導入支援などのDX需要を捉え、売上高は1兆563億円(前期比18.8%増)を記録しました。金融事業もPayPayの決済取扱高の増加に加え、クレジットカード等の金融サービスが収益化フェーズに入り、セグメント利益は863億円と前期から約2.1倍に拡大しています。
AI戦略においては、2025年11月に発表したOpenAIとの合弁会社「SB OAI Japan」が、2026年度に向けて法人AIサービスの独占展開を推進する役割を担います。さらに、国産大規模言語モデル(LLM)「Sarashina(更科)」の開発や、GPUクラスタを統合管理する「Infrinia AI Cloud OS」を通じ、AI計算基盤を「社会インフラ」として提供する方針です。同社は2030年頃を見据えた長期ビジョンを掲げ、デジタル化社会に不可欠な存在を目指しています。
一方で、AIデータセンターやGPUクラスタの構築・運用には膨大な電力と設備投資が必要となります。同社は今後のリスク要因として、電力調達コストや中東情勢に伴うエネルギー価格の変動を挙げています。2027年3月期は純利益5,600億円の増収増益を見込みますが、巨額のインフラ投資をいかに効率よく次なる利益成長へ結びつけられるかが、今後の重要な経営課題となります。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













