リコー営業利益42%増 ITサービス事業が収益支える

2026年05月13日 16:30

今回のニュースのポイント

リコーの2026年3月期連結決算は、売上高2兆6,083億円、営業利益が前年比42.1%増の907億円となりました。国内ITサービス巡る需要が収益を支える一方、海外ではハード販売の弱さや米関税政策が重荷となりました。東芝テックやOKIとの合弁による生産効率化で固定費削減を進め、次期は営業利益950億円とストック型ビジネスの拡大による増益を目指します。

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 2026年3月期の業績は、売上高2兆6,083億円(前期比3.2%増)、営業利益907億円(同42.1%増)となりました。営業利益率は前年度の2.5%から3.5%へと改善しており、複合機中心の収益構造から、ITサービスや保守を含むストック型事業へ軸足を移しています。

 地域別では国内売上高が9.2%増と伸長しました。パソコンの買い替えやセキュリティ強化に加え、インボイス制度等の法改正に対応したアプリケーションサービスが好調に推移しました。一方、海外売上高は為替影響を除くと2.8%の減少となり、特に米州では米関税政策や景気不透明感がハード販売の重荷となりました。

 リコーが進めているのが、オフィスプリンティング事業の抜本的な改革です。東芝テック、OKIとの合弁会社「エトリア」において共通エンジンの開発や購買の効率化を推進しており、市場縮小に対応する固定費圧縮策として位置付けられます。

 成長戦略においては、米国でマネージドITサービス事業を売却する一方で、オーディオビジュアル(AV)領域の企業を買収するなど、経営資源をワークプレイスサービスの高度化に集中させています。

 第4四半期連結会計期間(2026年1月~3月)単体では、創薬支援事業などでのれんの減損損失を計上したことや、米国関税の影響により前年同期比で29.3%の営業減益となりましたが、通期では国内ITサービスの伸長や費用改善効果が利益改善につながりました。

 2027年3月期の通期見通しは、売上高2兆7,000億円、営業利益950億円を計画しています。半導体メモリの価格上昇やインフレによる人件費増といったコスト増加要因はあるものの、業務効率化や保守サービスなどの継続収益型ビジネスの拡大により、利益率の改善を進める方針です。

 株主還元については、年間配当を前期比2円増の40円とし、次期は44円への増配を予定しています。また、250億円を上限とする自己株式の取得も決定しました。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)