今回のニュースのポイント
三井住友フィナンシャルグループの2026年3月期連結決算は、純利益が1兆5,829億7,300万円と大幅な増益を達成しました。国内金利の上昇により、貸出金利息や有価証券利息配当金が増加し、本業の「稼ぐ力」が大幅に回復しました。また、法人向け手数料収入や資産運用ビジネスも堅調に推移しました。同社は併せて、1,800億円を上限とする自己株式の取得と、投資家層の拡大を狙った1対2の株式分割を実施することも発表しています。
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2026年3月期の連結業績は、経常収益10兆7,908億5,300万円(前期比6.1%増)、経常利益2兆3,033億5,000万円(同34.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1兆5,829億7,300万円(同34.4%増)となりました。
増益を力強く牽引したのは、国内における資金利益の改善です。日銀によるマイナス金利解除後の金利正常化プロセスが進むなか、貸出金利息は前期比で増加し、運用収益の拡大に寄与しました。貸出金残高は企業の設備投資資金需要を背景に前期末比6.4兆円増の117兆6,292億円、預金残高も同14.1兆円増の185兆6,742億円へと拡大しています。
セグメント別で見ると、ホールセール事業部門が連結業務純益9,971億円を稼ぎ出し、全体の収益基盤を支えました。法人の資金調達やソリューション需要が伸長したほか、手数料収益も拡大しています。また、決済ファイナンスや資産運用ビジネスが好調だったリテール部門、海外展開を担うグローバル部門も堅調に推移し、全社的な増益に貢献しました。
一方で、リスク管理コストも増大しています。当期の与信関係費用は、中東情勢の悪化といった地政学リスク等に対する先行的な引当金計上を実施したことなどから、前期比439億円増の3,884億円となりました。さらに、米州銀行子会社の事業売却に係る損失なども発生しましたが、これらを銀行本業の収益拡大で十分に吸収した形です。
株主還元についても積極的な姿勢を見せています。資本効率の向上を目指し、1,800億円を上限とする自己株式の取得を決定したほか、年間配当は前期の157円から180円(分割考慮前)へ増配しました。また、2026年10月1日付で1株につき2株の割合で株式分割を実施し、NISA等を通じた個人投資家層の拡大も図る方針です。
2027年3月期の通期予想については、親会社株主に帰属する当期純利益1兆7,000億円を見込んでいます。
メガバンク各社は、長らく続いた低金利時代を耐え忍ぶ経営から、金利上昇メリットを最大限に活用し、法人金融・決済・運用までを網羅する総合金融化へと歩みを進めています。今後は、預金獲得を巡る金利競争の激化や海外与信のリスク管理が課題となりますが、SMFGは金利正常化の波を捉え、さらなる非金利収益の拡大を目指す成長局面に入っています。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













