今回のニュースのポイント
三井化学の2026年3月期決算は、売上収益が1兆6,688億円と前期比7.8%減となる一方、純利益は6.6%増の344億円を確保しました。半導体需要の回復でICT分野が大幅増益となり全体を支えましたが、ナフサ下落に伴う在庫評価悪化や市況低迷により、基礎化学品事業の赤字が拡大しています。次期は純利益450億円への増益を見込みます。
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三井化学が公表した2026年3月期連結決算(IFRS)は、売上収益が1兆6,688億円(前期比7.8%減)、コア営業利益が1,000億円(同0.9%減)、営業利益が738億円(同5.8%減)となりました。原料安による製品価格の低下や基礎化学品での出荷減が響きましたが、営業外損益が改善したことで、最終的な純利益は344億円と増益を確保しました。
セグメント別の動向では、ICTソリューションが売上収益2,795億円(前年度比0.7%増)、コア営業利益369億円(同38.2%増)と収益を大きく伸ばしました。半導体や光学材料向けのフィルム・シートが市場の回復を捉えて収益を伸ばし、成長領域を牽引しました。また、ライフ&ヘルスケア・ソリューションも売上収益2,591億円と増収となりました。ビジョンケア材料などの販売は堅調でしたが、大牟田工場の設備停止によるコスト増が響き、利益の伸びは限定的でした。
一方、モビリティソリューションは売上収益5,154億円(同7.2%減)、コア営業利益510億円(同7.4%減)と沈みました。米中の通商摩擦や米国のアルミ工場火災の影響などで自動車生産減が続き、PPコンパウンドの出荷が伸び悩みました。
最も厳しい状況にあるのがベーシック&グリーン・マテリアルズです。コア営業損失は184億円と、前期からさらに赤字幅を広げました。ナフサ安で在庫評価が逆風に転じたところへ、フェノール系の需要も減り 、赤字幅は前年より拡大しました。クラッカーの稼働率も、需要停滞と大規模な定期修理の影響で低調に推移しています。
財務状態は、総資産が2兆1,517億円となりました。親会社所有者帰属持分率は40.2%と若干上昇し、ネットD/Eレシオも0.70と、バランスはやや良化しています。株主還元については、年間配当を1株あたり75円(株式分割後換算)とし、自己株式取得を含め積極的な還元姿勢を示しました。
2027年3月期の通期予想は、売上収益1兆9,000億円、当期利益450億円を計画しています ICT分野での半導体回復の継続や、基礎化学品の構造改革による収益改善が焦点となります。
化学業界では、汎用石化製品は中国の過剰供給や景気減速の影響を受けやすく、高機能材との収益格差が意識されやすい状況が続いています。三井化学にとっても、不振の基礎素材への依存を抑え、半導体材料や医療関連など高付加価値分野へのシフトをどこまで進められるかが、中長期の収益改善を左右しそうです。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













