今回のニュースのポイント
三菱製鋼の2026年3月期決算は、売上高1,545億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比29.3%増の30億円となりました。国内鋼材事業が室蘭コンビナートでの高炉・熱風炉トラブルなどに伴う操業度低下により営業赤字に転落した一方、精密部品を含むばね事業や安全保障関連需要が堅調な機器装置事業が大幅増益を達成し、全体の利益を支えました。次期はトラブル影響の解消により、営業利益64億円への回復を計画しています。
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三菱製鋼が13日に発表した2026年3月期連結決算は、売上高が1,545億5,700万円(前期比3.1%減)、営業利益が47億8,800万円(同27.0%減)となりました。営業利益は、室蘭コンビナートでの高炉・熱風炉トラブルなどに伴う操業度低下が響き、減益となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は30億5,500万円(同29.3%増)と増益に着地しました。
セグメント別では、特殊鋼鋼材事業が国内における需要減に加え、高炉トラブル等に伴う操業度低下が直撃し、10億2,400万円の営業赤字(前期は33億1,800万円の黒字)に転落しました。一方で、ばね事業は精密部品や国内ばねの数量増、売価・コスト改善が奏功し、営業利益は39億8,100万円(前期比98.5%増)と大幅な増益を記録。また、安全保障・エネルギー分野向けの防護装備品や電力機器などの受注が好調な機器装置事業も、営業利益8億9,000万円(同25.6%増)と大きく伸長しました。
最終利益の押し上げには、一過性要因も寄与しています。事故関連損失などの特別損失を計上したものの、前期のドイツばね子会社撤退損の解消や、メキシコ子会社売却に伴う税効果など、海外拠点の整理を含む事業ポートフォリオ再編の成果が下支えしました。
財務面では、借入金の返済を進めたことで負債が減少し、自己資本比率は34.4%と前期末(30.8%)から改善しました。株主還元についても、当期の年間配当を前期の64円から81円へと大幅に引き上げ、次期はさらに104円への増配を予想するなど、積極的な姿勢を示しています。
2027年3月期の通期予想は、売上高1,660億円、営業利益64億円を計画しています。営業利益は2桁増の回復を見込む一方、純利益は31億円と前期比1.5%増の微増にとどまる見通しです。これは前期に計上した為替差益の剥落や税効果の縮小を想定しているためです。
鉄鋼市況の低迷が続く中、同社は鋼材事業の立て直しと同時に、安全保障・エネルギーといった成長分野への経営資源集中を加速させています。特化領域での競争力強化が、中長期的な収益基盤の安定につながるかが注目されます。 (編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













