NTN決算、構造改革で黒字転換 CVJ改善と米州収益改善が進展

2026年05月14日 16:28

今回のニュースのポイント

NTNの2026年3月期決算は、売上高が8,263億円(前期比0.1%増)、営業利益が310億円(同35.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が128億円となり、前期の238億円の赤字から黒字転換しました。売上高は横ばいでしたが、売価転嫁や変動費削減が寄与し、CVJ(等速ジョイント)アクスル事業の営業利益は102.4%増と大幅に改善しました。所在地別では米州が黒字転換し、欧州の赤字幅も縮小するなど、事業構造改革の効果が表れています。次期は売上高8,100億円と減収を見込む一方、営業利益330億円、純利益150億円への増益を計画しています。

本文
 NTNが14日に発表した2026年3月期連結決算は、売上高が8,263億4,400万円(前期比0.1%増)、営業利益が310億3,400万円(同35.2%増)、経常利益が234億8,400万円(同124.2%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は128億7,100万円となり、前期の238億100万円の赤字から黒字転換しました。同社は中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalのもと、生産再編を中心とする事業構造改革と、品質・コスト・キャッシュ創出力の改善を進めています。当期は販売規模減少の影響があったものの、売価転嫁や変動費削減が利益を押し上げました。

 事業別では、軸受他事業の売上高が3,488億9,000万円(前期比2.4%増)となった一方、営業利益は122億5,600万円(同10.4%減)にとどまりました。アフターマーケット向けや産業機械向けは増加しましたが、販売規模減少の影響が残りました。一方、CVJアクスル事業は売上高4,774億5,300万円(同1.5%減)ながら、営業利益は187億7,800万円(同102.4%増)と大幅に改善しました。自動車OEM向け需要の低迷は続いたものの、売価転嫁やコスト削減が収益改善に直結しました。

 所在地別では、米州の改善が顕著となりました。米国の関税政策や自動車需要低迷の影響はあったものの、変動費や固定費の削減により、米州は54億6,900万円のセグメント利益を確保し、前期の赤字から黒字転換しました。欧州も販売規模減少の影響を受けましたが、コスト削減により赤字幅を縮小しています。アジア他はアフターマーケット向けや産業機械向けが支えとなり、175億7,300万円のセグメント利益を確保しました。財務面では、自己資本比率が33.8%と前期末の27.2%から大きく改善し、営業キャッシュ・フローも571億7,900万円の黒字となるなど、キャッシュ創出力の強化が進んでいます。

 2027年3月期の通期予想は、売上高8,100億円(前期比2.0%減)、営業利益330億円(同6.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益150億円(同16.5%増)を計画しています。構造改革の継続により、売上高が微減となるなかでも増益を維持する方針です。配当は前期比2円増の年間13円への増配を見込んでいます。中東情勢や米国の通商政策など不透明な外部環境は続きますが、自動車需要の変動に左右されにくい収益構造をどこまで確立できるかが、今後の焦点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)