TowerとSemtech、AI向け接続半導体の生産能力確保で複数年契約 日本の工場も対象

2026年10月14日 09:46

今回のニュースのポイント

高信頼性半導体受託製造(ファウンドリ)大手のタワー・セミコンダクターと、アナログ・シグナル・パワー半導体の提供会社セムテックは2026年10月13日、AIデータセンター向け接続半導体の複数年契約を発表しました。セムテックはタワーのシリコンゲルマニウム(SiGe)製造能力の専用枠確保に投資し、米国、イスラエル、日本にある製造拠点を活用して800Gや1.6Tなどの高速データ伝送向け半導体の供給体制を強化します。

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 半導体ファウンドリ大手のタワー・セミコンダクターと、アナログ・ミックスドシグナル半導体大手のセムテックは2026年10月13日、AI(人工知能)データセンター向けの電力効率に優れたアナログ接続技術に関する複数年契約を発表しました。セムテックは、タワーが有するシリコンゲルマニウム(SiGe)半導体製造能力の専用生産枠を長期的に確保するために投資を行い、急増するデータ伝送需要に対応する供給体制を整えます。

 両社は約20年にわたり、データセンター向けのアナログ半導体分野で技術開発や製造の協力を続けてきました。今回の複数年契約は、これまでの長年の連携をさらに拡大するものであり、製品の設計開発にとどまらず、量産段階における製造能力の長期的な安定確保まで踏み込んだ枠組みとなっています。

 対象となる技術は、タワーが得意とする高周波・高出力性能に優れたシリコンゲルマニウム(SiGe)プロセス技術です。AIデータセンター内では、サーバーやストレージ、ネットワーク機器間を結ぶ光ファイバー接続および銅配線接続の双方において、大量のデータを高速かつ低消費電力で制御・伝送するアナログICやトランシーバ用半導体の役割が不可欠となっています。

 両社は本契約を通じて、データ転送速度が毎秒800ギガビット(800G)や1.6テラビット(1.6T)、さらに将来的な3.2テラビット(3.2T)といった最先端の高速通信規格への対応を目指します。特にAI学習や推論処理の高度化に伴い、電力効率を高めながらデータ転送速度を向上させることがインフラ整備上の主要課題となっており、基幹技術の早期供給を狙います。

 両社は米国、イスラエル、日本にまたがるタワーの製造ネットワークを活用し、AIデータセンター向け接続半導体の供給体制を強化します。なお、日本の製造拠点も供給網の一部として対象に含まれますが、今回の発表は既存生産体制の活用を意味しており、日本国内における新工場の建設や新規の大型設備投資計画が公表されたわけではありません。

 今回の発表は、新工場建設計画の公表ではなく、タワーの既存の国際製造ネットワークを活用し、セムテック向けの専用SiGe製造能力を確保する複数年契約です。将来的な設備導入や能力拡張の可能性と、現時点で合意された確定事項を区別して捉える必要があります。なお、今回の投資金額や確保する具体的な製造能力の規模、各国の製造拠点への生産割り当てなどは両社から開示されていません。

 大規模なAIインフラの投資においては、GPUをはじめとする演算処理用半導体の獲得に注目が集まりがちです。しかし、システム全体の性能を発揮するためには、機器間で膨大なデータを遅延なくやり取りする接続用半導体の安定調達も同様に重要となります。本契約は、最先端製品の開発競合だけでなく、長期的な製造キャパシティの確保が企業間の重要な提携事項となっている実態を示しています。

 AI関連需要の拡大を背景に、今後は半導体設計企業による製造ラインの囲い込みや長期契約の動きが他の分野でも広がる可能性があります。両社が構築するグローバルな供給基盤を通じて、実際にどの程度の生産規模が確保され、各国拠点へどのように配分されていくかが今後の注視点となります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)