世界の300mm半導体製造装置投資、2029年に2,270億ドルへ SEMIが拡大予測

2026年10月14日 10:21

半導体クリーンルームイメージ2

半導体製造工場のクリーンルームと製造装置。SEMIは世界の300mmウエハー工場向け前工程製造装置投資が、2029年に2,270億ドルへ拡大すると予測した(画像はイメージ)

今回のニュースのポイント

国際的な半導体産業団体であるSEMIは2026年10月13日、世界の300mmウエハー工場における前工程製造装置投資に関する調査予測を発表しました。2026年の投資額は前年比31%増の1,490億ドルに達する見通しで、2029年には2,270億ドルに拡大すると予測されています。人工知能(AI)や高性能計算(HPC)などの需要増を背景に、工場建設と製造装置投資が世界規模で進行する姿が示されています。

本文
 半導体製造装置や材料などの国際業界団体であるSEMIは2026年10月13日、世界の300mmウエハー工場向け前工程製造装置投資額が、2026年に前年比31%増の1,490億ドルに到達し、2029年には2,270億ドル規模へ拡大するとの予測を公表しました。2026年から2029年にかけての増加率は、公表数値からの算出で約52%増となります。

 今回の調査対象は、直径300mmのウエハーを使用して半導体を製造する工場や生産ラインにおける、回路形成などを担う前工程の製造装置投資です。後工程装置や他のウエハーサイズの設備、業界全体の設備投資総額とは異なる指標ですが、先端半導体から汎用品まで主要な供給基盤の投資動向を示す代表的な指標として注目されます。

 投資拡大の背景についてSEMIは、AI(人工知能)や高性能計算(HPC)、次世代半導体用途などの強い需要に対応するため、世界各国で生産能力の増強が進められているためと説明しています。先端ロジックや高帯域幅メモリー(HBM)をはじめとするメモリー技術の発展、各種産業向け半導体の増産が製造装置への投資を力強く後押ししています。

 生産能力の拡大に向けては、新たな工場や生産ラインの建設も活発化しています。研究開発専用施設を除く新たな300mm工場・製造ラインの着工予定件数は、世界全体で2026年に20件、2027年に18件と予測されています。これらは将来の製造装置導入や量産に向けた先行投資としての意味を持ちます。

 工場建設に対する支出も力強い伸びが予測されています。世界の300mm工場建設支出は、2026年に475億ドル(前年比23%増)、2027年に633億ドル(同33%増)となり、2028年には684億ドルに達する見通しです。建物の建設支出と製造装置への投資は連動しつつも、異なる投資サイクルで推移します。

 地域別の動きでは、米州における300mm工場向け製造装置投資が、2026年の181億ドルから2029年には406億ドルへ拡大するとSEMIは予測しています。「米州」には米国以外の地域も含まれますが、米国国内における新規着工予定件数も2026年に3件、2027年に4件が計画されており、北米エリアでの製造基盤強化が鮮明になっています。

 一方、工場や製造ラインの稼働開始についても、SEMIは件数の増加を予測しています。世界で新たに稼働を開始する、あるいは最初のシリコンウエハーを出荷する予定の300mm工場・製造ラインは、2026年に13件、2027年に23件と予測されています。建設計画の進行に伴い、生産体制が段階的に立ち上がる見込みです。

 今回の「300mm Fab Outlook」2026年第3四半期版では、前回報告から163の工場・製造ラインについて166件の変更情報を反映し、14件の新規記録が追加されました。世界的な半導体需要の増大が工場建設と製造装置投資の双方を牽引する構図が示されていますが、実際の投資実行や稼働時期は、今後の需要環境や各社の事業計画によって推移を見極める必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)