病気の社員への配慮、職場で「特別扱い」と誤解も 人事担当者の26.8%が経験

2026年10月19日 09:08

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都市部に立ち並ぶオフィスビル。Works Human Intelligenceの人事担当者調査では、病気のある社員への配慮が周囲から「特別扱い」と誤解され、職場の雰囲気が悪化した経験があるとの回答が26.8%に上った。(写真は資料画像)

今回のニュースのポイント

Works Human Intelligenceの調査によると、病気を抱える社員への配慮に関し、理由が周囲に十分伝わらず「特別扱い」と誤解されて職場の雰囲気が悪化した経験を持つ人事担当者が26.8%に上りました。2026年4月から治療と就業の両立支援が事業主の努力義務となったものの、プライバシー保護と周囲の業務負担軽減や理解獲得をどう両立させるか、現場の運用における課題が浮き彫りとなっています。

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 2026年4月1日施行の改正労働施策総合推進法により、事業者には病気を抱える労働者の治療と就業の両立支援に向けた環境整備が努力義務として求められています。制度上の枠組みが整い始める一方で、実際の職場運用においては、支援対象となる本人のプライバシー保護と、業務を支える周囲の従業員への配慮や理解獲得をどのように両立させるかという課題が残されています。

 大手向け人事システムを手掛ける株式会社Works Human Intelligence(WHI)が10月15日に公表した実態調査(調査期間:2026年2月12日~4月17日、同社システムを利用する国内大手39法人・41人の人事担当者が回答)によると、配慮の理由が周囲の社員に十分伝 わらないことで「特別扱い」と誤解を受け、職場の雰囲気が悪化した経験があるとの回答が26.8%に達しました。なお、この調査期間は同年4月1日の法施行前後にまたがっており、施行後だけの状況を集計したものではありません。支援を行う際、業務調整の背景となる病名や治療内容などの個人情報は高い機密性が求められます。しかし、詳細が伏せられたまま勤務形態や業務量が変更されることで、事情を知らない周囲の社員から不満や偏見が生じる懸念が提示されています。

 同調査では、個別対応の面において「産業医・保健スタッフとの連携を行っている」が75.6%、「業務内容などの個別調整を行っている」が65.9%と、一定の取り組みが進んでいる状況が示されました。その一方で、全社的なルール作りに関しては「これから・検討中」などの回答が半数以上を占めました。さらに、「必要な配慮・対応の判断が難しい」(65.9%)や「代替要員の確保が難しい」(56.1%)、「周囲の従業員の疲弊を懸念」(41.5%)といった声も多く挙がっています。

 2026年4月に適用された厚生労働省の「治療と就業の両立支援指針」では、基本方針の全社周知、相談窓口の開設、休暇・勤務制度の整備、そして産業医や主治医の意見を踏まえた個別対応の重要性が明記されています。この指針は企業に一律の治療休暇義務を課すものではなく、また本人が同僚に対して病名の開示を強制される制度でもありません。そのため、本人のプライバシーを第一に保護しながら、業務上の調整理由をどのように周囲と共有し、組織全体の納得感を得るかが重要なポイントとなります。

 個人のプライバシー保護と組織の円滑な業務遂行を両立させるアプローチとして、本人の意向や同意を確認し、病名や治療内容などの機微な情報を保護した上で、業務遂行に必要な勤務上の調整事項だけを、関係者に必要最小限の範囲で共有する方法が考えられます。併せて、特定の社員に業務負担が偏らないような業務分担の見直しや代替要員の確保、管理職による適切な説明体制を整えることが、双方にとって働きやすい職場環境の構築に向けた一助となりそうです。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)