今回のニュースのポイント
欧州でデータセンターを開発するPolar Data Centersは2026年10月21日、米Crusoeとの提携拡大を発表しました。ノルウェーのトゥルダールで稼働中の既存施設「DRA01」(IT容量12MW、水力発電利用)に加え、新たに液冷対応の施設「DRA02」を開発し、40MWのIT容量を追加する計画です。新施設は2027年後半の稼働を目指し、NVIDIAの次世代AIシステム「Vera Rubin NVL72」の導入を計画しています。
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欧州でAI向けデータセンターの開発・運営を手掛けるPolar Data Centersは2026年10月21日、米国のAIインフラ企業Crusoeとの提携関係を拡大し、ノルウェーのトゥルダール(Tørdal)において新たなAIデータセンター施設「DRA02」を開発する計画を発表しました。今回の事業は、液冷技術に対応したIT設備容量40メガワット(MW)を新たに追加するものであり、2027年後半の稼働開始を見込んでいます。
現地では、既存のAIデータセンター施設である「DRA01」がすでに稼働を開始しています。DRA01のIT設備容量は12メガワットであり、Crusoeが提供するAIクラウドサービス「Crusoe Cloud」の基盤として運用されています。同施設には、需要に応じた柔軟な拡張を可能にするモジュール型インフラや高密度の冷却設備、GPUの運用を考慮した耐障害性の高い電力システムが組み込まれています。
電力供給の面では、既存施設であるDRA01は100%水力発電に由来する再生可能エネルギーで電力を賄っていると両社は説明しています。新計画であるDRA02においても、豊富な水力発電による電力を利用する方針です。大規模なAIモデルの学習や推論には膨大な電力が不可欠となるため、環境負荷を抑えつつ安定した電力を確保できる立地条件が、今回の拠点拡張を支える要素となっています。
追加が計画されているDRA02は、高密度な計算処理に不可欠な液冷技術に全面対応した設計となります。最先端のAIアクセラレータは発熱量が極めて大きいため、従来の空冷方式だけでは十分な冷却が困難になるケースが増加しています。40メガワットのIT容量全体に液冷システムを導入可能とすることで、システムの熱管理を高効率化し、安定した連続運用を実現する狙いがあります。
クラウド事業を担うCrusoeは、この新施設DRA02に対し、NVIDIAの次世代AIシステム「Vera Rubin NVL72」を導入する計画を立てています。高度なAIモデルのトレーニングや膨大な計算処理需要に対応するため、最新世代の計算インフラを早期に導入し、自社のクラウドプラットフォームにおける顧客向けの計算能力を大幅に引き上げることを目指しています。
両社の協力関係は、2025年6月に発表されたDRA01に関する最初の提携から始まっています。DRA01の稼働開始を経て、今回のDRA02における40メガワットの追加計画へと協力関係が拡大しました。Polarが施設の設計、建設、運用などの物理インフラを担当し、Crusoeがその上で稼働するAI計算基盤とクラウドサービスを提供するという役割分担が継続されています。
今回の取り組みは、急速に拡大するAI計算需要に対し、欧州域内で環境配慮型の計算基盤を構築する動きを象徴するものです。DRA02が計画どおり稼働すれば、既存の12メガワットと合わせ、IT設備容量は合計52メガワットとなります。高性能なGPUの調達にとどまらず、クリーンな電力の確保、高度な液冷技術、安定した施設運営の統合がAIインフラ事業の重要な条件となっています。
DRA02は2027年後半の操業開始を目指して開発が進められますが、現時点では計画段階にあります。今後は施設の建設進捗に加え、水力発電による電力供給体制、液冷設備の整備、次世代AIシステムの導入状況が焦点となります。既存12メガワットの稼働実績を土台として、計画どおりに40メガワットの増設が実現できるか、今後の進捗と欧州におけるAIクラウドの展開動向が注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













