今回のニュースのポイント
米3Mは米国時間2026年10月19日、台湾の精密光学部品メーカーであるGenius Electronic Optical(GSEO)と、AIデータセンター等に向けた光接続技術の開発・製造で協業すると発表しました。3MはGSEOによる新株の私募発行に参加し、同社普通株式の約4.7%を取得する計画です。通常の取引完了条件を満たした上で2026年第4四半期の出資完了を目指し、長期的な生産能力拡大と技術の商用化を推進します。
本文
米化学・素材大手3Mは米国時間2026年10月19日、台湾の精密光学部品メーカーであるGenius Electronic Optical(GSEO)と、光接続ソリューションの開発および製造に関する戦略的協業を発表しました。あわせて3Mは、GSEOによる新株の私募発行に参加し、同社普通株式の約4.7%を取得する計画を明らかにしました。
今回の資本参加は、通常の取引完了条件を満たすことを前提としており、3Mは2026年第4四半期(10〜12月期)中の投資完了を見込んでいます。出資額や株式取得後の具体的な議決権比率などの詳細は公表されていません。両社は単なる技術連携にとどまらず、3Mが製造パートナーへ資本参加することで、サプライチェーンの緊密化と安定的な製品供給体制の構築を図る狙いがあります。
協業の柱となるのは、3Mが推進する「Expanded Beam Optical(EBO)」と呼ばれる光接続技術です。EBOは光ビームを拡大して光信号を接続する技術であり、両社は3Mが持つ材料科学や光接続技術、グローバルな顧客基盤と、GSEOが誇る精密光学部品の量産製造能力を組み合わせます。GSEOの製造技術をEBO用フェルールやコパッケージド・オプティクス(CPO)関連ソリューションなどに活用し、技術の商用化と長期的な生産能力拡大を目指します。
背景には、人工知能(AI)の普及に伴う大規模データセンターの急速な拡大があります。大量の計算処理を行うAIインフラでは、演算用半導体の性能向上だけでなく、サーバー間やチップ間を結ぶ通信の高速化・大容量化・省電力化が不可欠となっています。光信号を用いた高速接続技術は、次世代データセンターのボトルネックを解消する重要インフラとして需要が高まっています。
両社はEBO技術の商用化とともに、長期的な生産能力の拡大を目指す方針を掲げています。ただし、今回の発表では新工場の建設予定や具体的な投資金額、工場ごとの増産ペースなどは明示されておらず、生産能力の増強は今後の事業展開の中で段階的に進められる目標段階にあります。
今回の合意を受けて、今後は2026年第4四半期に向けた出資手続きの完了や、製造体制の具体化、具体的なCPO関連製品の製品化スケジュールなどが焦点となります。AI需要の増加を背景に、素材・技術を強みとする米企業と精密加工を得意とする台湾企業による国際協力が、通信インフラの供給体制に与える影響が注目されます。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













