子どもの不登校と仕事、在宅勤務で両立しやすいと68.3% 母親の就業継続に課題

2026年10月28日 07:48

こどもイメージ

子どもの不登校への対応は、保護者の働き方にも関わる。しゅふJOB総研の調査では、在宅勤務ができれば仕事と両立しやすくなると思う回答が68.3%だった。(写真は通学風景・イメージ写真)

今回のニュースのポイント

ビースタイルグループのしゅふJOB総研が10月27日に公表した調査で、子どもの不登校と仕事について、在宅勤務ができれば両立しやすくなると思う回答が68.3%となりました。調査は子どもがいる就労志向の女性265件を対象としており、実際に不登校を経験した当事者の割合は21.9%です。両立が「難しい」とする認識は85.6%に上り、「希望する仕事をあきらめる」との回答も52.1%を占めました。不登校への対応は家庭の問題にとどまらず、保護者の就業継続に関わる雇用課題としても浮き彫りになっています。

本文
 ビースタイルグループの調査機関「しゅふJOB総研」が2026年10月27日に発表した調査結果によると、子どもの不登校と母親の仕事について、在宅勤務ができれば両立しやすくなると「思う」と回答した割合が68.3%に達しました。調査は子どもを持つ就労志向の女性を対象に実施されたもので、家庭での見守りや学校対応を要する状況において、柔軟な勤務形態への期待が高い水準にあることが示されました。ただし、この数値は回答者の予想や認識を集計したものであり、在宅勤務によって実際に仕事と育児を両立できた実績を示すものではありません。

 今回の調査は、しゅふJOB総研がインターネットを通じて実施し、子どもがいる就労志向の女性265件から有効回答を得ました。回答者のうち、実際に子どもが不登校になった経験がある当事者の割合は21.9%でした。調査では、もし子どもが不登校になった場合や不登校への対応において、在宅勤務が仕事との両立を容易にすると思うかを尋ねています。回答者は子どもがいる女性265人で、不登校を経験した当事者だけを対象とした調査ではありません。そのため、経験者の実態だけでなく、潜在的な不安や期待に基づく仮定の判断が含まれている点に留意が必要です。

 不登校と仕事の両立に関する認識を尋ねた設問では、両立が「難しいと思う」とする回答が85.6%に上りました。さらに、不登校への対応に伴う影響として、「希望する仕事をあきらめることになると思う」が52.1%、「長く続けることが難しくなると思う」が47.9%を占めました。これらはいずれも実際の離職実績ではなく回答者の予想や認識ですが、突発的な登校拒否や日中の見守り、関係機関との連携が必要になった際、従来の出社を前提とした働き方では就業継続に強い障壁を感じる女性が多い実態を浮き彫りにしています。

 子どもの不登校への対応は、学校との連絡や日中の見守りなど、保護者の働き方にも関係する問題です。家庭の状況によっては、勤務時間の調整や休暇の取得が必要になる場合もあります。日中の居場所の確保や相談窓口への同行など、不登校に伴う対応は突発的かつ長期化しやすい特徴を持ちます。このため、子どもの不登校は単に教育や家庭内の問題にとどまらず、働く保護者がキャリアを断念せざるを得ない事態や、労働供給の制約につながる雇用上の課題として認識され始めています。

 企業側にとっても、従業員の家庭環境の変化に伴う離職を防ぐ観点から、勤務制度の柔軟性が論点となります。在宅勤務や時差出勤、短時間勤務、フレックスタイム制などの導入は、突発的な家庭の課題に直面した従業員の就業継続を支援する選択肢の一つとなり得ます。もっとも、制度が存在することと、実務現場で心理的負担なく利用できることの間には依然としてギャップが存在し、業務内容や社内の理解状況によって利用のしやすさは大きく左右されます。

 今回の調査で示された68.3%という数字は、在宅勤務の就業継続効果や生産性向上を客観的に証明したデータではありません。接客業や医療・福祉、製造現場など、業務の性質上テレワークの導入が困難な職種も多く存在します。また、在宅勤務中に子どものケアと業務を同時に進めることには集中力の維持や精神的な負荷も伴うため、勤務形態の変更だけで不登校を巡るあらゆる課題が解決されるわけではありません。

 子どもの不登校に伴う就労の継続は、家庭の自助努力や学校の指導のみならず、企業の柔軟な雇用管理や勤務制度の設計とも交差する課題です。今回の調査結果は、制約を抱える労働者が直面する不安と、場所にとらわれない働き方に対する強い潜在ニーズを可視化した一つの材料といえます。柔軟な働き方の選択肢がどこまで実効性を持つかについては、実際の利用実績や職場環境の整備状況を慎重に見極める必要があります。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)