今回のニュースのポイント
白鶴酒造は2026年10月9日、海外ブランド「ZIMA」で初となる日本限定フレーバー「シトラス&コリアンダー」と「シトラス&ローズマリー」を発売しました。2021年末の国内販売終了を経て2023年に再上陸を果たした同ブランドですが、飲酒習慣の変化や円安に直面。白鶴酒造は単なる復刻にとどまらず、日本市場に適合した新しいコンセプトの策定や味づくりを主導し、ブランドオーナーであるMolson Coors社の承認を得て商品化を実現させました。
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白鶴酒造株式会社は2026年10月9日、Molson Coors Beverage Company(モルソン・クアーズ)と共同開発した「ZIMA シトラス&コリアンダー」および「ZIMA シトラス&ローズマリー」を全国で発売しました。ZIMA史上初となる日本限定フレーバーの登場ですが、新商品の開発で最も苦労したのは単なる香りの調整ではありませんでした。白鶴酒造への独自取材からは、既存ブランドを日本市場の新しい環境へどのように適合させるかという、コンセプト確立に向けた模索の過程が浮かび上がります。
1993年に米国で誕生したZIMAは1997年に日本へ上陸し、瓶にレモンを挿して飲むスタイルで若者を中心に親しまれましたが、2021年末に日本国内での販売を終了しました。その後も再販を望む消費者の声が寄せられる中、白鶴酒造はブランドオーナーのMolson Coors社との協議を経て日本国内の独占販売権を取得し、2023年に販売を再開しました。しかし、販売が途絶えていた約2年間のうちにコロナ禍を経て「イエノミ」需要が拡大するなど飲酒習慣が変化したほか、2023年の再上陸時には円安の進行も重なり、輸入ブランドとして価格競争上の難しさに直面していました。
こうした市場環境の変化を踏まえ、両社は2023年の再上陸後も新商品開発に向けた協議を継続してきました。缶チューハイ市場で果汁系商品や無糖系商品が人気を集める中、白鶴酒造は再上陸後の販売活動や消費者とのコミュニケーションを通じて、ZIMAとして同じ土俵で競うのではなく独自の価値を示す必要があると判断。クラフトビールやジンの普及に見られる「香り」への関心の高まりに着目しました。同社は「最も苦労したのは、味づくり以前に『どのような新しい ZIMA を目指すのか』というコンセプトを固めることでした」と明かしており、香りの調整以前にブランドの新しい方向性を定める議論に時間を費やしました。
企画段階では数年にわたり両社で協議を重ねていましたが、日本での製造が決定してからは、日本市場の知見を持つ白鶴酒造が主体となって商品コンセプトや味づくりを推進しました。試飲評価も白鶴酒造が中心となって実施し、その結果をMolson Coors社へ共有して最終承認を得るプロセスをたどりました。パッケージデザインも日本のデザイン会社と制作し、ブランド承認を受けています。ライセンスブランドとして、Molson Coors社の品質基準とブランド基準の双方を満たす必要があり、白鶴酒造が日本市場向けに開発を主導しながら、共同開発として最終的な完成へと漕ぎ着けました。
コンセプト確定後、多数の試作品の中からZIMAらしさと新しい魅力を兼ね備えた組み合わせとしてコリアンダーとローズマリーが選ばれました。両商品とも“シトラス”を冠しているが、2商品でそれぞれ異なるシトラスオイルを採用し、自然由来のハーブ原料を使用して香りのバランスを細かく微調整しています。ウォッカベースによるクリアな飲み口を維持しつつ、近年の低アルコール志向や食事との相性を意識してアルコール分3%、微炭酸の設計を採用。商品は瓶(275ml)と缶(350ml)の計4アイテムで展開されています。
白鶴酒造は今回の日本限定フレーバーを、日本市場におけるZIMAの新たな挑戦を象徴する商品であり、今後の日本市場向け商品開発の第一歩と位置付けています。今回の開発プロセスを通じて、日本の消費者が求める味わいやライフスタイルへの理解を深めたとしています。現時点で具体的な販売目標や今後の限定商品の計画は公表されていませんが、一度日本市場から姿を消したブランドを、現代の消費者ニーズに合わせて再構築する今回の挑戦がどのように評価されるのか、今後の動向が注目される。(編集担当:エコノミックニュース編集部/Editorial Desk: Economic News Japan)













