【日経平均】続落し終値かろうじて12000円台を維持

2013年04月02日 20:36

 イースター休暇明けのNYダウは5ドルの小幅安。2日朝方の為替レートはドル円が93円台前半、ユーロ円が119円台後半と円高が進行。日経平均は83.45円安の12051.57円で始まったが、数分で急落して300円を超える下げ幅の11805円まで下げた。その後は戻して前引けで27円安の12107円まで上昇したが、挑発的な発言を繰り返す北朝鮮がらみの「有事の円買い」とみられる動きで為替が約1ヵ月前の水準のドル円92円台後半まで動いたため、後場は12000円をはさんで一進一退の展開に。終値は131.59円安の12003.43円で、かろうじて12000円台を維持できた。もっとも、TOPIXのほうは日経平均より堅調で、終値は-9.23の991.34と1000の大台は割っても大崩れした印象はない。値上がり銘柄数も前日の63から467に増えていた。売買高は37億株で売買代金は3月15日以来の2兆5000億円超えと、商いは活発だった。
 
 上昇した業種も不動産、その他金融、銀行、空運、証券、小売、倉庫、海運と8業種あった。下落幅が大きかった業種は鉄鋼、電気・ガス、パルプ・紙、輸送用機器、非鉄金属、石油、保険で、円高進行を背景に輸出関連銘柄中心に売られていた。
 
 日経平均が連日200円以上も動いて荒れる「春の嵐」で、日経平均もTOPIXも、昨年11月以来の上昇相場で「最後の防衛線」の役割を果たし、一度も割らなかった25日移動平均線をついに下回った。日経平均が2日で394円も下落した要因として、3日からの日銀の金融政策決定会合について緩和策の先送り報道まで出て気をもませていること、アジア市場の軟調、新年度入りで国内機関投資家の利益確定売りが出た、海外ヘッジファンドの決算対策売り、持ち高調整、ポジション調整など「調整含み」、海外勢が先物に投機的な売りを入れているなどいろいろ解説されているが、これがイレギュラーなただの「踊り場」なのか、それとも本格的なトレンド転換の始まりなのかは、今週末まで見てみないとわからない。ただ、市場関係者の間では「真っ暗だった前日と比べると、光がいくつか差している」という見方だった。
 
 その「暗闇に差す光」とは、内需セクター、不動産、そして金融株。三大メガバンクはみずほ<8411>が3円高、三菱UFJ<8306>が12円高、三井住友FG<8316>が60円高と復調。りそなHD<8308>も20円高だった。地銀大手は相対的にパッとしなかったが、その他金融のオリコ<8585>は11円高でアイフル は50円高。証券も野村HD<8604>が4円高と反発し、JPX<8697>は420円高だった。
 
 内需セクターで特に好調なのが小売で、不動産含み資産関連としても買われた百貨店は丸井G<8252>が38円高、三越伊勢丹HD<3099>が31円高、Jフロントリテイリング<3086>が23円高、高島屋<8233>が21円高だった。34円高のセブン&アイHD<3382>、90円高のローソン<2651>、45円高のファミリーマート<8028>、120円高の良品計画<7453>、110円高のポイント<2685>あたりも買われていた。しまむら<8227>は2月期決算の内容が評価されて260円高、ニトリHD<9843>は160円高で年初来高値を連日更新している。
 
 空運はJAL<9201>が45円高、前日に持株会社に移行したANAHD<9202>が2円高、レジャー関連ではオリエンタルランド<4661>が250円高、外食の吉野家HD<9861>は前場の年初来安値をはね返して600円高だった。情報・通信のソフトバンク<9984>は反発して15円高。前日の主役の東京電力<9501>は14円安だった。
 
 反対に輸出関連株はこの日も総崩れで、ソニー<6758>が11円安、パナソニック<6752>が8円安、シャープ<6753>が年初来安値でも4円安、東芝<6502>が2円安と電機はそれでもでもないが、トヨタ<7203>の145円安、ホンダ<7267>の90円安、スズキ<7269>の81円安を筆頭に自動車株が軒並み悪かった。ファナック<6954>は330円安で日経平均の足を引っ張り、キヤノン<7751>は115円の大幅安で4日続落、ニコン は良くない業績報道が出て70円安、東京エレクトロン は160円安で前日の上昇分を打ち消した。それでもロシアのLNGプラントを受注と伝えられた日揮<1963>の174円高、日東電工<6988>の130円高、安川電機<6506>の13円高あたりの健闘は光っていた。
 
 今日の主役は業種別騰落率トップになった不動産関連。大手の住友不動産<8830>が230円高、三菱地所<8802>が153円高、三井不動産<8801>が112円高、東急不動産<8815>が54円高、東京建物<8804>が53円高で、この5銘柄で日経平均を24円押し上げ、650円高と大きく反発した「御三家」のファーストリテイリング<9983>の26円に迫っていた。東証REIT指数も反転し、不動産証券化のケネディックス<4321>が一時ストップ高で売買代金1位、値上がり率3位に入り、サンフロンティア不動産<8934>が値上がり率6位、ランドビジネス<8944>が同11位にランクイン。不動産含み資産銘柄も東京ドーム<9581>が34円高、東京都競馬<9672>が17円高、三菱倉庫<9301>が22円高で、百貨店銘柄も好調だった。不動産株は大手銀行株とともに朝の大底からのリカバリーの牽引車になったが、輸出関連ハイテク銘柄の下落をカバーできるほどではなかった。(編集担当:井畑学)